アラフォーじゃぱん

いろいろじょうほうはっしんするブログです。
気長に見てやってください😂

短編小説 練習

2024-10-26 11:47:00 | 日記

もし私がカエルかアヒルだったらあなたは私に気づいた?

「なんでそんなこと聞くの?」

夏の暑い午後だった。大学の同級生で、かつ僕の彼女は突然そう聞いてきた。

朔実は、際立って美しいタイプではないが、愛嬌があり、普段そんな問いを抱くようには見えなかった。

その問いの答えは、どこかから聞こえる時計台の十二時の鐘の音と共にどこかへ飛んでいってしまった。その頃の僕は、ただ少しちやほやされる朔実に憧れて付き合ってみたいと思い朔実に告白しただけだった。僕が好きだと言ったら、少し彼女は黙り答えをくれた。

だけど僕らは、月と太陽のようなものだった。朔実が笑ったら僕も笑ったが、本当はどうだったんだろう。その当時、ぼくにはそれが分からなかった。結局、僕らは愛し合うことはできなかった。


太陽、なに考えてるの?と明美が聞いてきた。社会人になって、付き合い始めた彼女。美人でみんなに自慢して回れる女。

ふとベットの上で寝転んでいると彼女の潤った髪が俺の頬に触れる。

静かな時間が流れる。

時折、俺みたいな男にお前みたいな女が彼女だって誇らしく思う、なんて言ってみようと思うが、それじゃあ男が廃る。美しい女と自負している女ゆえ、そういう扱いは御法度だ。

突然、ラインが届いた。大学の同級生の聡からだ。今度、久しぶりに会おうとのこと。大学を卒業して3年経った。同窓会ってことね。了解とだけ返信した。


同窓会当日、朔実は現れなかった。というより誰も連絡が取れなかったらしい。

「朔実は今頃どこで何してるんだろうね」とビールを注ぎながら聡。

俺は、沈黙しながら遺影を眺めるような目つきで空白の席を見つめた。

朔実はきっと死んでしまったんだ。ふとそう感じた。

俺たちは生きてるが、朔実にはそんな力はない。俺たちは社会に汚れたが、朔実は綺麗なままだ。朔実は、、。そこまで考えていると、智が声をかけてきた。ちょっと外でねぇ?

月がでていた。智は切り出す。

実は、朔実来月結婚するんだって。

「、、へぇーめでたいね。そりゃ」

「いいのか」

「何が?」

「、、お前はバカだよ」「朔実は、お前しか愛せなかったし、今だって、、」

そう言って、聡は店へ戻った。

月が空に浮かんでいる。

「「もし私がカエルかアヒルだったらあなたは私に気づいた?」」

、、朔実の求めていたのは、大学生の頃の俺じゃ受け止めきれないものだった。

今は。

今でも。

今でも?

本当に?

それでもどうしようもないじゃないか。

もう朔実は、結婚するのだから。

携帯の連絡先には朔実の番号とアドレス。


朔実に無性に会いたくなった。

その時、月は雲に隠れ風が吹いた。

秋の気配。

カエル?アヒル?そんなことどうだつていい。

朔実は朔実だ。朔実がどんな姿であれ、生まれ変わったって朔実を愛する。朔実の子供が欲しい、、そう俺だって、、俺だって、

つーっと涙が出た。

後ろからコツコツとヒールの音。

朔実だった。

少し微笑んで、彼女はそこにいたんだ。



むかしむかしあるところに

2023-12-29 22:38:00 | 日記

むかしむかし、あるところに田舎屋敷に住むお嬢様がおりました。

そのお嬢様は大切に育てられ、15の歳で家が没落し家族離散し、ひとり路頭に迷うことになりました。

元お嬢様は、ただの娘になり日々泣き暮れていたかと思えば、突然身を起こしマッチを売り始めました。

それはそれは寒い夜のことです。

マッチはいりませんか。と道中歩く人々に声をかけていると、リンゴをもったおばあさんが、このりんごと交換にマッチをくれないかい、と話を持ちかけてきました。

そこで娘は承諾し、リンゴを受け取るとしんしんとふる雪の中、腹ペコだったこともありその場でリンゴをひとくちふたくちと食べました。

すると、意識は遠のき雪道で倒れてしまいました。すると、そこへロバがやってきて、、ブレーメンの音楽隊です。素敵な音楽を奏で始めました。

空からは、天人の迎えが来ておりました。


しかし翌朝、目が覚めるとそこには王子が目の前におりました。娘はいつまで眠っていたのか知りません。

ただ、

彼女の幸せと運命と希望とこれら未来を切り開く力を

森の精霊はさずけました。

その後、娘は子供を3人儲け死ぬまで働き幸せに暮らしました。


前編 わたしと

2023-12-25 11:12:00 | 日記

朝、喫茶店でコーヒーを飲むのが日課。

砂糖とミルクを一つずついれる。

濃いコーヒーは飲めないのだ。

苦く深い香りが私の脳と体に合わないらしい。

濃いコーヒーは頭をコツコツと打つように、意識を覚醒させる。

必要もないのにそんなことはしない。

ただ、苦味とほのかな甘さで微妙な距離を保っている。

社会と私との距離。


私の親は3年前に亡くなってしまい、今は親しい友人はひとりふたり。

親はいくらかの財産を残して、わたしを置いていった。

特に仲が良かった家族というわけでもないけれど、

いれば普通に寄り添うことができた。

けれど、私が「しっかりした大人」になるのを見届けずいってしまった。

まだ結婚もしてないし、働いてるわけでもない。所属する場所がないことは悲しいことよ、と母が言っていた。

けれど、わたしを必要とする場所なんかないと知っていた。

だから私は時間と遊んでいた。ぼーっとして過ごすこともあれば、月を眺めて物思いにふけったり。

それをみた友だちも同じく迷子だったので

それぞれで顔を見合わせ空に並んだ白んだ月と星を眺めていた。


ある日、わたしが住んでいたマンションの隣にビルが建つことになった。

それはどんどん高くなっていき、下からでは判別できない高さになっていた。

都会は、土地を見つけたらすぐ高層マンションを建てたがる。

わたしは、もともと木造平屋建ての一軒家に住みたい思いがある。

なぜマンションに住んでいるか、その理由は鉄筋の方が「燃えにくい」からだ。

それは父から聞いた。


アドバイスと侵略の違い。

わたしは見えないものに縛られている気がする。

両親の善良さがわたしを私でなくさせる時がある。

それは大切に育てられたお嬢さんということなのか、

それとも。。。


今日の空は青い。

電車に乗って浅草へ向かった。

昔、祖母が生まれた場所。

祖母は明るく優しいひとだった。

いつも大きい海老をうどんにいれてくれた。

子供は、幸せな人と不幸な人を見分ける目をもっていると思う。

わたしは、祖母が好きだった。

その祖母が生まれた街もすがすがしく、人情味があふれている、気がして好きだ。

ここの街には不幸などないかのように感じる。


【短編】飛んでく

2023-06-14 13:31:00 | 日記

しばらく降った雨が地面を濡らし、大気中には雑草の匂いが立ちこめる。

 ある日、テレビ番組を見ていたら、タレントが「蜘蛛は、自ら糸を出して空に浮遊する。そんな姿が羨ましい」と話していた。

わたしは、煎餅をぽりぽり食べながら蜘蛛の何が羨ましいんだろう。ついこの間、家に大きいのが二匹もでて大騒ぎしたのにと不満をたらした。

 わたしは、普段パイロットとして働いている。

女性のパイロットは珍しく、中堅にあたるわたしは後輩の世話役でもある。フライト時間は長く、腰痛持ちの頭痛持ちで薬はかかせない。最近では意見するようになってきた後輩を煙たくも思っている。

 今日は、珍しく夜から同僚達と飲み会。パイロットというイメージににつかわしくなく、こういうときは冷静さも緊張感も一切なくどんちゃん騒ぎになる。カラオケ機器もあり上司のオハコは、年不相応なBUMP OF CHICKENのスノースマイル。わたしは、歌があまり得意ではないので隅で酒を飲む。愚痴を言い合える同僚はいない。友達はみな結婚して時間が取れない。そして、空の楽しさなんてとうに忘れてしまった。

 夕方、外へ出、ターミナル駅につくと待ち合わせ場所に着いた。もう宴はすでに始まっており、上司のオハコが鳴り響いていた。ヒールを脱ぎ、座敷に上がると後輩の1人が「遅いっすよ、今何時だと思ってるんですか?今から俺歌うんで、盛り上がってくださいよー」と酔っ払いながら肩に触れてきた。

 普段、仕事もしっかりやり意見もしてくる◯◯が、わたしには煙たい存在であり、、素直なところまぶしすぎた。

 「Aさんは、パイロットなのに格好が地味ですねー。今日、なにしてたんすかー?」

 「関係ないでしょ、女性のプライベートを興味本位で聞かない」

「興味本位じゃないですよー、先輩いつもお世話になってます」と酌をつがれる。そこへ◯◯出番だぞ!と声がかかる。

イントロからわかった。あの曲だ、えーと、、

「空も飛べるはず!いきます!」


そうだ、大学の卒業時みんなで大合唱した。懐かしい。空なんて飛べるはずないのに、その時はもしかして本当に叶うかも、、と、そして願っていた。わたしはパイロットになって世界の空を飛び回るんだ、と。

 歌の最中、ぼーっとして空を眺めていた。それは頭の中でリフレインしていた。「蜘蛛は、自ら糸を出して空に浮遊する」「そんな姿が「蜘蛛は、自ら糸を出して空に浮遊する」そんな姿が羨ましい」


 翌朝、出勤のため外へ出ると空には太陽が出ていた。玄関先の紫陽花には蜘蛛の巣がはられていて、しずくをぽつぽつつけていた。風が吹き抜ける。なにかが通り抜けた気がした。


浅草「ふなわかふぇ」

2022-10-01 14:30:00 | 日記
いい天気ですね☀️

今日は、芋羊羹で有名な「ふなわかふぇ」にいって来ました😆
写真は、飲み物(アイスティ)写ってないですが、抹茶アイスクリームと芋羊羹ととろーり蜂蜜のセットで

合計880円でした✨


休日の11時30分頃入店しました。

ジブリの音楽が流れてて癒し空間でした。

ただやはり昼時はスタッフさんが忙しそうでした💦

席は、店内に2人座席が7,8くらい。1人座席が3席。
店外にも席はあったみたいです!見てませんでした!笑💦

老若男女問わず、女性が多かったですが、
男性でひとりでこられてる方もいて、
なんかほっこりしました✨



たまには、浅草の静かな空間で

お茶なんていいですねぇ😌