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赤松敏弘Vibraphone Connection・談話室

【ちょこっと制作秘話 / RING - make a roundの巻】

現在TOKYO MX2(地デジ9ch ▲1)「ヒーリングタイム&ヘッドラインニュース/猫の足跡」で流れているこの曲。



あちこちで問われるので22年前のアルバムだと言うと皆びっくりする。まぁ、確かにそうは聞こえない仕上がりと制作時点でそれとなく確信はあった。
自分の音楽に年齢は無いと思っているので、テイクのOK判定には目の前の細かい事は設定していない。

The NEXT DOORという赤松(vibes)養父貴(g)新澤健一郎(kb)のユニットで、録音にはユキ・アリマサ(p)がゲストに加わっている。

録音は2000年8月にクレッセントスタジオ(現・サウンドシティー世田谷スタジオ)、他のテイクには一部1999年12月に笹塚にあったベースのチンさん(鈴木良雄さん)のプライベート・スタジオも含まれる。
録音場所が分散しているのはこの曲の入ったアルバム『NEXT DOOR - birth of the swift jazz』が元々音楽配信を前提として1999年暮れに4曲録音したものの、まだインフラ的に時期尚早としてCD化=フルアルバム化を図って2000年8月に残りの6曲を録音したから。電子書籍「NEXT DOOR - NEW LIFE」に詳しく書いた通り。

(amazonで立ち読みできます!)

2000年5月の六本木ピットインのブッキングはリズム隊が揃わず、それじゃあ三人でやろう、と始めたのがこのスタイル。
単なる打ち込みでは毎度同じカラオケを流すようなもんだし、インプロにならない。かといってステージ上にPCを据えてリアルタイムなエディットがライトなどのさまざまな要因によってトラブルを引き起こすのは80年代の終わりにバークリーのコンサートやリサイタルで経験済み。
そこで新澤健一郎がサンプラーを駆使してリアルタイムに編集出来る案を編み出してこのスタイルが出来上がった。
曲や素材は僕が提供し、新澤健一郎がプログラムと現場での操作を行う。ちょうどデビューアルバムの制作準備に入っていたヴォーカリスト越智美保代(MIHOYO)のアルバム・プロデュースもあったのでいち早くこの手法でカーペンターズの曲をゾクゾクのグルーヴものに仕上げた。

気を良くした僕らはリズムセクションを交えつつも、この三人のリアルタイム・エディット・ショーも盛り込んだプログラムで2000年のジャズフェスにも出た。
大きなトラブルもなく無事に終えて満足感に浸っていたのだけど、そのフェスの感想の投稿の中に「才能のある若者が機械に振り回されている感じが残念」というのがグサリと刺さった。
他は概ね好意的な投稿が並んでいたのだけど・・・。
確かにその場でデータを繋ぎかえたり、入力したりする瞬間ってとてつもないセンスと技術やアイデアが必要で、楽器でインプロしているのと同じなのに客席から見るとスイッチをパチパチしているだけに見えてしまう。僕らはその音に反応してストーリーを広げるのだけど、それらが予め用意されているカラオケのように感じられてしまう。つまり、視覚的要素がほとんど無かったのだ。(当時はまだそこまでコンピューター・ミュージックがジャズでは一般的じゃ無かった)

まぁ、それが引き金ではないけれど、音楽の視覚的要素というものが本当に必要なのか疑問が湧くばかり。

そんな時代の試行錯誤が生み出したアルバムなので、音楽には年齢がないのです。20年以上前の音楽に聴こえないというのですが、その時も今も僕自身は何も1ミリも変わっていません。

ちなみにこのRING - make a round。1998年秋のピットイン(六本木)ライブと横濱ジャズプロムナードのステージにアコーディオンの大塚雄一を招いた際に作った曲で、全く雰囲気は異なるけどメロディーもハーモニーもオリジナルのまま。サウンド、リズムアレンジが変わるとここまで変身するのに当時自分でびっくりした。


ネットで視聴→https://mcas.jp/c/mx2.html

でも、今僕が一番びっくりしているのは、この曲が20年以上も経ってテレビの猫動画に使われて、しかもそれが妙に合ってる事。
年齢の壁を越えたら人間の枠も越えちゃったのかも・・・・(笑)
どうぞこちらで試聴してみてください。(触りの部分だけですが)



いつの時代も全力を尽くせ、です。




秋のお出かけにいかがでしょう!



信州・安曇野のベーシスト中島仁氏のアルバムPioggiaから広がる新しいConnectionが秋の安曇野に大集結。
さらにライブの翌日には「お楽しみ」の企画も準備中です。今年の秋は信州で大いに弾けましょう!

2022年10月15日(土)
蔵のカフェレストラン 清雅
開場 18:30 開演 19:00

料金:3,500円 + ドリンク代 500円
(出演)
 中島仁(b)
 望月慎一郎(pf)
 赤松敏弘(vib)
 酒井麻生代(fl)
安曇野市豊科3550-1 tel 0263-72-3982
ご予約・お問合せ: 電話 0263-50-5541 (営業時間 11:30〜16:00,18:00〜22:00、月曜定休)

どうぞお楽しみに!



■赤松敏弘 official site VIBRAPHONE CONNECTION
発売中のCD、ライブ情報、電子書籍やインタビュー掲載誌等、ジャズ、ヴィブラフォン、演奏法、ジャズセオリーと、ジャズやビブラフォンの周りにある様々な疑問も解決するお役立ち情報も満載。
1997年開設以来のユーザーからの様々な質問や情報交換もアーカイブとして保存中。是非一度お立ち寄りください。
( http://www.vibstation.net )



■赤松敏弘 FaceBook ( https://www.facebook.com/akamatsu.toshihiro/ )




■赤松敏弘 Twitter




それでは今日も楽しい一日を!


【放送】


今週のオンエア (9月17日~9月23日)
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【テレビ】
東京MX2 (地デジ9ch + ▲up)番組名『ヒーリングタイム&ヘッドライン・ニュース』癒しの映像+最新のニュース+最良の音楽。
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月曜〜金曜 放送時間 26:00〜27:00
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“ねこの足跡”21年6月、7月、8月、10月ヴィブラフォン部門【Amazon's Choice】選出作品『NEXT DOOR - birth of the swift jazz/赤松敏弘』(2000年作)
演奏:赤松敏弘(vib)ユキ・アリマサ(p)養父貴(g)新澤健一郎(kb)平石カツミ(b)斉藤純(ds)相内勝雪(mnp)他。

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金曜 12:00〜
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“路面電車のある風景 - 1”『NEXT DOOR - NEW LIFE/赤松敏弘』(2020年作)
演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh)酒井麻生代(fl)須川崇志(b)小山太郎(ds)佐々木優樹(g)

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金曜 10:00〜
土曜 6:00〜7:00 / 13:55〜 / 26:30〜27:00
日曜 6:00〜7:00 / 13:55〜 / 26:05~26:35
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“猫の足跡 看板猫”22年1月、ビブラフォン ジャズ部門【Amazon's Choice】選出作品
『TIDE GPAPH/赤松敏弘』(2007年作)

演奏:赤松敏弘(vib, mar)ユキ・アリマサ(p)松島美紀(mar)

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月曜〜金曜 17:00〜 (東京シティ競馬中継の時はお休み)
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“東京点描 城南1”『SPARKLING EYES/YUKARI』(2021年プロデュース作)
演奏:YUKARI(vib,mar)飯島瑠衣(p)中林董平(b)森永哲則(ds)guest:赤松敏弘(vib)



首都圏以外の方はこちらの「エムキャス」で全国からスマホやパソコンでリアルタイムにお楽しみいただけます。
★エムキャス→https://mcas.jp/c/mx2.html
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変わらずのんびりとやっております。


 


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