片方の根元で生きる檸檬の木死ぬかと思えば三十個生る
雨降って不安という字書いてみる不安の証なにもないのに
パソコンのチェアで居眠りする朝メモの暦の空欄うれしい
買い替えたブルーの新車持ち帰る丁寧に拭く雨の水滴
半時を遅れて向かう公園の濡れた芝生がきらきら光る
台風の逸れて小雨の降る道に傘さして撮る土色の川(昨日)
さわさわと傘打つ雨の良い気分見回るパトカー声掛けてゆく
わが友は明日をも知れぬ病状で変わらぬ文字のラインの返事
稜線の白々明けて鱗雲空いっぱいを埋めて広がる
小半時遅れて出れば人と会う軽い会釈は快きもの
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