シーランド公国(シーランドこうこく、Principality of Sealand)は、北海の南端、イギリス南東岸から10km沖合いに浮かぶ世界最小の面積を持つ自称「国家」である。しかしながら、世界中の主たる国はシーランド公国を承認しておらず、国際法上は「国家」と呼ぶことはできない。(By wikipedia)
所有者は詐欺師か変人あるいはその両方という人物である。参照の「非公認の国々 シーランド公国 」にアクセスしていただければわかるが、意外と波瀾万丈の歴史がある。
領土面積は207㎡とも550㎡とも伝えられているが、土地面積と建坪の違いだろう。土地面積は我が家の半分くらいである。我が家は豪邸ではない。田舎に住んでいるだけの話だ。土地だけはそこそこにある。家屋も我が家の方がましかも知れないが、相手が相手だけに自慢しているわけではない。
我が家も日本から独立してしまいたいが、陸続きだから不可能。もし可能ならば世界で2番目に小さな独立国になるわけだ。
一見ボロ屋風のシーランド公国だが要塞構造であるため、イギリス軍が使用していた時は数百人の軍人がいたらしい。
イギリス軍が要塞として使って、放置していた施設を占拠しただけでどうして所有権が発生したのか、その経緯はよくわからない。何故か裁判で勝訴したみたいだ。
似たようなことを考える人物はやはりアメリカ人が多く、アメリカ領海近辺で独立国を作った例は多いがことごとく失敗に終わっている。(参照「世界飛び地領土研究会・非公認の国々」)そう言う意味では「シーランド公国」は希有な例なのだ。
現在占有は続いているものの、いつまで持つかは保証できない。売値の1000万ポンドはふっかけた値段だろう。wikiに出てくる6500万ポンドがいわゆる定価。実際は5億円前後が交渉の場となると思われるが、アメリカ人の物好きが買い上げる可能性が高い。
くだらなそうなニュースではあるが、「国家とは何か?」という原点を考えるいい機会である。国家としての最低条件をいみじくも確認できるのである。
独立国を持ちたい人へのために「世界飛び地領土研究会」では様々なアドバイスをしている。
既成の国の中で独立を果たすためには、解放戦線を結成し武力行動をとらなければならない。もしくは住民投票で分離独立を採択する必要がある。採択しても、「はいそうですか」と承認するおめでたい国はないだろうから結局武力行動に訴えることになる。
大義名分もなく、単に自己所有の国を持ちたい場合は、「シーランド公国」のように、領海外に新領土を作成し、独立宣言しなければならない。
公海上の浅瀬・暗礁を埋め立てて国土を確保する必要があるのである。もちろん莫大な資金が必要。仮にやったとしても、横やりが入る覚悟もいる。腕のいい弁護士も必要だ。
北海の要塞「シーランド公国」 「世界最小の国」売却へ 英紙報道
第二次世界大戦中、北海に建設された海上要塞(ようさい)で、世界最小の「国家」を自称する「シーランド公国」が売却先を探している。8日付の英紙タイムズが伝えた。
2本の柱に支えられた550平方メートルの要塞は1941年に完成。67年、当時、要塞が英領海外にあることに目をつけた元英陸軍少佐パディ・ロイ・ベーツ氏が独立を宣言し、「ベーツ公」と称した。
独自の国旗や通貨を持つが、承認している国はない。360度のオーシャン・ビューが売りだが、発電機の振動で住環境は信じられないほどひどいという。売り主は1000万ポンド(約23億円)以上の値を期待している。
(参照)
シーランド公国
シーランド公国は海底に設置したアンカー部分、2本の円柱、甲板という3つの部分から構成されている。円柱部分は7階層のデッキ(AからG)となっている。発電機の置かれたAデッキとその直下のBデッキが海面上に、CからGデッキが海面下に位置する。BデッキからEデッキは戦時中、食糧貯蔵庫、および要員の船室に、Fデッキは弾薬庫、Gデッキは資材置き場となっていた。
イギリスは第二次世界大戦中、沿岸防衛の拠点として4つの海上要塞と多数の海上トーチカを建設した。シーランド公国が領土としている Roughs は、最も北に位置していた海上要塞であり、1942年に建設された。イギリス沖10kmの北海洋上にある。
戦時中は150から300人もの兵員が常時駐留していたが、大戦終了後に要塞は放棄された。ところが、1967年9月2日に元英国陸軍少佐で海賊放送の運営者だったパディ・ロイ・ベーツが、当時イギリスの領海外に存在したこの要塞に目をつけ「独立宣言」を発表、要塞を「シーランド」と名付け、自ら「ロイ・ベーツ公」と名乗った。
イギリスは強制的に立ち退かせようと裁判に訴えたが、1968年11月25日に出された判決では、シーランドがイギリスの領海外に存在し且つイギリスを含めて周辺諸国が領有を主張していなかったことから、イギリス司法の管轄外とされた。イギリス司法の及ばない空白地帯となり、シーランドは独立を達成したとも言えるが、シーランドを独立国家として承認した国・政府は存在せず、国際的に「シーランド公国」は認められていない。
火災後の国土(2006年9月)2006年6月23日、老朽化した発電機から火災が発生したが、同6月25日にはベーツ夫妻が国土に戻り、7月末には発電機や焼失した配線系統の復旧が完了した。
2007年1月8日付のイギリス「デイリー・テレグラフ」紙で、6500万ポンドで国全体が売りに出されていることが報じられた。
非公認の国々 シーランド公国
WELCOME TO THE PRINCIPALITY OF SEALAND
世界飛び地領土研究会