ガス田、日中共同開発で基本合意
ガス田は両国の排他的経済水域内にある。日本はその権益の範囲を、現在国際的に認知されている日中中間線とするのに対し、中共は40年以上前に廃止された国際法上の解釈に基づく大陸棚の先端沖縄トラフまでを主張している。
排他的経済水域に関わる問題は、国連海洋法条約では「当事者同士で話し合え」と言うことになっているが、埒があかないときは(つまりほとんどの場合は)各裁判所に要請する事ができる。当条約は平和的解決を要求しているが、強制力がないため、相手国が開き直った場合は調停や裁判所での解決ができない。
日本は国際司法裁判所や国連海洋法裁判所に付託する事を中共に要請しているが中共はこれに応じていない。
東シナ海のガス田開発問題で日中両国は、中間線をまたぐ海域に複数の区域を設定し、その中で共同開発を進めることで基本合意した。
これまでの交渉で日中両国は、主張が対立する境界線問題を棚上げにした上で、領土の中間線をまたぐ海域にいくつかの共同開発ゾーンを設定し、開発のコストと権益は折半することで合意した。
これまで中共は中共側海域での共同開発は拒否していた。
一方、中共が生産を開始しているガス田「白樺」については、共同開発区域に含まれていない。
日本政府は、境界線問題を棚上げにしている以上、東シナ海で行われる開発は白樺を含め、すべて共同で行うべきと主張している。
「白樺」で採掘できない場合は、日本側の区域でも単独開発を実施することでバランスをとる方針らしい。
中共政府は、今年初頭までは強硬姿勢を崩していなかったが、今年3月、チベット問題で国際社会の中国への批判が一気に高まり、先進諸国の首脳が次々と北京オリンピック開会式への出席を取りやめる中、福田首相は開会式出席について前向きな発言を繰り返してきた。
中共としてはオリンピックが無事に終わるまでは日本をおだてて踊らそうという作戦のようである。で、中共ロビーのチンパンにご褒美をあげたわけだ。
オリンピックが終われば、中共がなし崩し的に合意を無視するのはみえみえである。
中共ロビーとしては、開発費をピンハネできるし、権利を中共側に譲渡するときにキックバックも貰える。こんなおいしい話はないだろう。
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