ここに来て薪ストーブへの関心が高まっている。薪ストーブは昭和30年代くらいまでは一般に使われてきたが、石油・ガス暖房の普及にともない、次第に姿を消していった。
一部の田舎志向の人達からは支持されて来たので、細々とではあるがホームセンターなどでも売られていた。ただし、ほとんどが安物で、都市部では消防法上使用できない可能性がある。
それが、最近の原油急騰で「燃料費の安さ?」に注目が集まり、販売会社に注文が殺到している。
この手の暖房具で一番心配なのは一酸化炭素中毒である。
密閉した車の中で焜炉に練炭を焚いて自殺する手法は有名である。また、朝鮮ではオンドルによる死亡事故も多発している。
販売会社によると、最新型の薪ストーブは安全性に配慮を加え使いやすくなっているそうである。
最新型の薪ストーブは、煙突を利用した吸排気機能を向上させ、薪が燃える際に出る一酸化炭素などのガスを再度燃焼させ、不純物の少ない廃ガスを煙突から強制排出させる構造になっている。
最新型ストーブは20万円台からあるが、設置費などを含めると初期投資は60万円以上かかり、年に一度は煙突掃除も必要とのことである。
デザインもよく信頼性の高い北欧製の薪ストーブは本体価格だけでも50万円以上する。インテリアとしての見栄えも考えるなら100万円以上の投資が必要である。
つまり、購入するには決断がいると言うことだ。
で、「きちんと手入れすれば一生もの。温かさや部屋でたき火ができる感覚は代え難い、という人は多い」と販売会社はセールスに躍起である。
薪ストーブの売りは燃料費の安さである。本当に安いのだろうか?
薪ストーブ専門店のハリマ興産では「熱量でみると、灯油一リットル(現在の店頭価格89円程度)は薪2㎏に相当するが、6㎏を100円で販売しており、3分の1程度で済む計算だ」と言っている。兵庫県の地方都市の話である。
通販価格だと、2㎏150円程度が多い。これだと灯油といい勝負である。ホームセンターでも似たような値段である。通販の場合、更に送料も発生して採算に合わない。
どうもハリマ興産が異常に「安売り」をしているようである。
薪の価格は間伐材を利用しているのでほとんどが人件費である。中国から輸入すればもっと安く入手できるかも知れない。
林野庁が「緑のオーナー」であくどい原野商法をやったのは記憶に新しいだろう。全国で数十万人の被害者が発生した。
林野庁の失敗でもわかる通り、木材価格の低迷で間伐が進まない日本の杉、檜林は木の過密化が進んでおり、大雨や台風などの災害に弱く、二酸化炭素の吸収力も弱まっている。林野庁は天下りと間伐材の処分を図るため、各地に独立行政法人の「バイオマス供給センター」を建設しまくった。ここから例によって運営委託を丸投げされた各森林組合は「たきつけ君」などの木材チップを下請け企業に製造させている。
要するに、「薪ストーブブーム」の仕掛け人は「農水省」らしく、狙いは天下りへの税金垂れ流しである。
マスコミを利用してカモがひっかかるのを待っているのである。
本当に薪ストーブで暖房費を安く済ませるためには、ホームセンターで数千円の安物ストーブを買い、薪は近くの山林から「柴刈り」してくるのに限る。これなら燃料費は0円である。勿論、山林に入会権を持ち、いくら煙を吐き出しても消防法上問題ない地域の人に限定される。
薪ストーブの人気急上昇 燃料費、灯油の3分の1
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