病原性大腸菌の出自が細菌兵器だったのではないかという疑惑は以前からあった。
しかし、いくら猛毒でも大腸菌では壊滅的威力は期待できない。本格的に殺戮を目的にするならば、もっと感染力が強力な細菌候補がいくつも考えられる。
(参照記事)大腸菌
大腸菌は細菌としては巨大なので遺伝子組み換え実験に良く用いられる。
(参照記事)腸管出血性大腸菌
病原性大腸菌が最初に発見されたのは1982年と比較的最近である。
病原性大腸菌にはいくつかの種類があるが、何れもベロ毒素を出すことが確認されている。
(参照記事)ベロ毒素
ベロ毒素は別名志賀毒素とも言われ、赤痢菌発見者の志賀博士に由来している。
何故赤痢菌の毒素が大腸菌で生産されるのかについては謎とされているが、「遺伝子組み換え実験の結果」と解すれば合理的である。
病原性大腸菌が遺伝子組み換えによる人工的な細菌であった場合、細菌兵器以外に、漏洩事故も考えられる。バイオハザードだ。
バイオハザード
いくつかの漏洩事故が報告されているが、決定的証拠はないもののその疑いがある事例も多数検討されている。エイズや豚インフルエンザもそうだ。
漏洩も偶発的な場合と、故意の場合とに分別される。
バイオセーフティーレベル
今回の病原性大腸菌レベルだとGroup2か3程度の隔離施設で実験が可能だ。
(元記事)【欧州】大腸菌感染者は1500人に急増 原因は依然特定できず
一時スペイン産のキューリが疑われたが、いまだに感染経路は特定できないでいる。
(元記事)ドイツで18人死亡の大腸菌O104、多くの抗生物質に耐性
≪ドイツで18人が死亡するなど被害が広がっている新種の腸管出血性大腸菌O104は、幅広い抗生物質が効きにくい多剤耐性の遺伝子も持っていることがわかった。北京ゲノム研究所(BGI)が2日、解析結果を発表した。
今回の菌は強毒性に加え、薬剤が効きにくいことで、治療が難しくなっている。 ≫
ウイルスなどでは遺伝子が自然に変異する可能性はあるが、これだけご丁寧だと、遺伝子組み換えを疑った方がいいだろう。
感染経路が特定できないことも踏まえると、人為的にばらまいている疑いが濃厚である。
故意にばらまいているとしたらテロ組織が一番有力だ。大腸菌は比較的手軽な実験材料なので、さほど大規模な施設も高度な専門知識も必要とせず細菌兵器化が可能だからだ。
日本でも焼き肉チェーン店を中心に病原性大腸菌騒ぎが起きたばかりだ。
勿論、日本の場合は不潔な環境が原因だった可能性の方が高いが、病原性大腸菌関連は一応テロの可能性も考慮するべきなのである。
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