真相世界(The truth world)

200610新庄効果で日本ハム 日本一

新庄効果が日本ハムを日本一に導いた。野球はチームプレーのゲームであるが、個人の力がここまで影響を与えた例は希有だろう。野球というスポーツで個人の力は一番ものを言うポジションはピッチャーである。有能なピッチャーが4人いればそのチームは間違いなく優勝できる。

しかるに新庄は外野手である。しかも。守備はともかく打撃成績はお世辞にも優勝に貢献したとは思えない。

彼が日本ハムに与えた影響は何か? 

答えは活力である。

彼の人気に引きずられて、他の選手もお相伴にあずかったのだ。彼がいなくても日本ハムの戦力的には大差ないが、世間から注目されることが、選手の潜在能力をどれだけ伸ばしたかを証明したシリーズだった。


<日本シリーズ>日本ハムが44年ぶり日本一 中盤に逆転し
 今季限りで引退を表明している新庄が、そして、ヒルマン監督が何度も宙に舞った。26日行われた日本シリーズ第5戦は、日本ハムが中盤に逆転し、44年ぶりに日本一の座を手にした。日本ハムは、中日の先発・川上を攻めあぐんだが、五回にスクイズ、六回には一発と、大技小技で接戦をものにした。中日の52年ぶり2度目の優勝はならなかった。日本ハムの日本一は、前身の東映が62年に、阪神を4勝2敗1分けで降し初制覇して以来2度目。これでパ・リーグに現行プレーオフが導入された後も含め、パの覇者が日本シリーズを4年連続で制した。日本ハムは来月9日に開幕するアジアシリーズ(東京ドーム)に出場する。
 ○日本ハム4―1中日●
 日本ハムが少ない好機を生かし、川上を攻略した。0―1で迎えた五回、1死三塁から金子が投前にスクイズを決め、同点。六回には1死三塁からセギノールが右越えにシリーズ2号の勝ち越し2ランを放った。
 先発ダルビッシュは序盤こそ制球の甘さが目立ったが要所を締め、八回途中まで投げ被安打8、1失点。今季限りで引退を表明している新庄は、空振り三振、三ゴロ、二塁内野安打、空振り三振で、4打数1安打だった。
 中日は二、三、四、六回と先頭打者が出塁したものの、得点は四回、荒木の適時内野安打による1点のみ。この日も打線のつながりを欠き、粘りの投球を見せた川上を援護できなかった。
 ▽小池唯夫パ・リーグ会長 44年ぶりの日本一おめでとう。初の北海道開催となった歴史的な日本シリーズにおいて、ベテラン、若手とも120%の力と技を発揮し、本当によくやりました。連日4万人を超える札幌ドームのファンと一丸になってつかんだ日本一だと思います。パ・リーグが進めてきた「地域密着」の成功例であると言えるでしょう。
 ▽豊蔵セ・リーグ会長 北海道日本ハム44年ぶりの日本一おめでとうございます。ファイターズの選手のはつらつとしたプレーはシリーズの重圧をみじんも感じさせませんでした。ファンの熱狂的な応援の後押しを受けて、その勢いに中日も圧倒された印象です。中日は残念ながら勝運をつかむことが出来ませんでしたが、随所に見せた好プレーは、セ・リーグ勝者の片りんをうかがわせました。
 ▽日本ハム・稲葉 (シリーズの最高殊勲選手に)プレーオフは緊張しすぎでなかなか打てなかった。日本シリーズでは活躍したい一心だった。みんなが勝ちたいという気持ちが一つになった。みんなに打たせてもらった。
 ◇ヒルマン監督の一問一答
 ――頂点に立った気持ちは。
 北海道のみなさんは世界で一番です。個人的なことになるが、家族も来ていたし、父は今日誕生日だったので、うれしい。
 ――新庄が今季限りで引退するが。
 新庄はたくさんのエネルギーをみんなに注いでくれた。もう一緒にプレーできないのは残念だが、最後の花道を飾ったと思う。
 ――アジアの頂点を目指す戦いが始まる。
 これまでと同じように準備をして、外国人監督が日本のチームを代表し、アジアと戦うことを誇りに思う。
 ――ファンにメッセージを。
 ファンがいなければ、優勝は手にできなかった。言葉に表せられないくらい感謝の気持ちでいっぱいだ。
 ◇若武者、踏ん張る…ヒルマン監督がすべて委ね
 優勝に王手をかけて迎えた第5戦。本拠地最終戦で負ければ、地元ファンの前で胴上げの機会はなくなる。マウンドに立ったのは20歳のダルビッシュ。シリーズ初戦で黒星を喫した若武者に、ヒルマン監督はすべてを委ねた。
 第1戦では特有の雰囲気にのまれて失点を重ねたが、この日は一転、落ち着いていた。一回1死後、井端に中前打を浴びるも、続く福留を内角高めの速球で遊ゴロ併殺。二回も先頭のウッズに安打を浴びるなど2死一、三塁としたが、気持ちの高ぶりは見られない。初戦で先制適時打を浴びた谷繁を、外角のスライダーで三塁ゴロに仕留めた。三回2死三塁での福留の打席では自己最速の153キロをマーク。乗せてはいけない相手の前では、こん身の一球を投げ込んだ。
 決して安定感があったとは言い難い。四回には自らの連続四球で2死満塁のピンチを招き、荒木の内野安打で先制点を許した。それでも、ここから崩れないのが信頼の証。続く井端を内角球で詰まらせ、右飛で切り抜け、傾きかけた流れを断ち切った。
 そんな若武者の踏ん張りに、中盤まで川上の前に封じられていた打線が応えた。五回、1死三塁から金子のスクイズで同点に追いつくと、六回にはセギノールが右翼席に貴重な勝ち越し2ラン。
 五回以降、ダルビッシュは力だけではなく、内外角への揺さぶりを中心に中日打線を封じ込めた。八回1死。立浪にこの日8本目の安打を浴びて降板したが、その顔は充実感に満ちていた。「今年1年、集大成の全力投球。精一杯でした」とダルビッシュ。すべてを出し切った106球だった。【和田崇】
 ◇6回3失点、不完全燃焼…中日・川上
 がけっぷちに立たされた中日。当然のように落合監督が選択したカードは、エースの投入だ。川上は5回まで1失点と意地の投球を見せてしっかりと試合を作るが、六回にセギノールに投じた球が悔いの残る1球となった。
 1死三塁のピンチ。セギノールに対し、直球主体の投球で挑む。カウント1―2。ここでもこん身の力で速球を投げ込んだ。しかし、豪快に振り抜かれ、右翼席に届く2ランに。負けが許されない試合で、一発を注意しなければならない打者に打たれてしまった。
 第1戦の試合後、「投げてもあと2、3試合。全力で投げる」と語っていたが、その言葉通り、序盤から孤軍奮闘ぶりが目立っていた。シーズン中でも1度しかなかった中4日での先発となったが、直球、カットボールに加え、カーブを巧みに配し、勢いに乗る日本ハム打線の打ち気をそらした。五回1死三塁では金子の投前スクイズをグラブトスし、そのままグラウンドに転がる気迫あふれるプレーも見せた。それだけに、なおさらセギノールへの1球が悔やまれた。
 6回3失点。エースは不完全燃焼のままマウンドを降りた。


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