200709正義感あふれる警官 電車内で不良少年を注意して逆に逮捕される

記事の「口論になった」という表現には抵抗感を覚える。記者の故意の悪意さえ感じでしまう。
心情的にはこの警官に同情するが、法のプロである以上「失態を犯した」と非難されてもやむを得ないだろう。民間人だったら情状酌量の余地も大きいが、プロの警察官の場合、この不良馬鹿少年を補導する措置をとるべきだった。この不良馬鹿少年抵抗した場合、その段階で準現行犯逮捕に踏み切れば良かった。この場合相手が抵抗しても、逃亡阻止のために殴る蹴るできたはずである。
酒に酔っていたためもあり、手順を間違えたのだろう。
しかし、この警官が現行犯逮捕されたと言うことは、「たれ込んだ」お節介な奴がいたものと思われる。

まあ、社会人が馬鹿に対して社会道徳を説きにくくなっている現状を如実に示す事件である。安部内閣の本末転倒な「美しい国」政策を見るにつけ、「だめだ、こりゃ！」と思わざるを得ない。

相手が無法者ならぶん殴ってもいいかというと、どうもいけない事例がある。

＜万引き＞懲らしめた男性死亡、スーパー店長逮捕
　
　４日午後９時ごろ、千葉県船橋市本町７のＪＲ船橋駅前の路上で、「男性が倒れている」と通りかかった女性から１１０番があった。男性は搬送先の病院で意識を失い死亡し、近くのスーパーの店長が暴行を認めたため、県警船橋署は傷害致死容疑で緊急逮捕した。

調べでは、店長は同日午後８時から９時にかけて、スーパー店内の資材置き場で、万引きした男性を殴る蹴るし、死亡させた。店長は聞き込み中の同署員に暴行を認めた。「男性が缶ビールを万引きした。以前にもやられたので、こらしめようと思った」と供述している。
死亡した男性は５０～６０歳くらいで身長約１７５センチ。白と灰色の横じま長袖Ｔシャツに緑色のズボン姿で白い運動靴をはいていた。

どの程度の強さで殴ったのかはわからないが、いかなる理由でも暴力をふるって相手が死んでしまえば「殺人」になってしまう。
殴る側が手加減したつもりでも、死ぬ奴は死ぬということである。
やはり、暴力はいけない。

（記事）

巡査長を現行犯逮捕＝高校生を平手打ち

　横浜市内の路上で定時制高校の男子生徒（１６）を平手打ちし、けがを負わせたとして、神奈川県警旭署は５日までに、傷害の現行犯で同県警大和署巡査長小磯慶洋容疑者（３３）を逮捕した。「大変申し訳ないことをした」と容疑を認めているという。
　調べによると、小磯容疑者は４日午後１０時５０分ごろ、同市旭区の相模鉄道鶴ケ峰駅改札前の路上で、男子生徒と口論の末、顔面を平手で殴るなどし顔面打撲を負わせた。
　高校生が電車内で回転式拳銃の形をしたライター（全長約３６センチ）を乗客に向けて遊んでいたため、降車後に小磯容疑者が注意しようと呼び止めたところ口論になったという。同容疑者は同僚と酒を飲んだ後、１人で帰宅する途中だった。

（参照）

準現行犯逮捕（刑訴法第212条第二項）
犯罪および犯人が明白な場合、時間的・場所にも密着している場合、被逮捕者が犯罪の事実の認識をしていることなど、罪を行い終わってから間がないと明らかに認められる場合。例えば犯人像が明白であり、逃走を続けたあげくに逮捕された、というような事例を想起されよ。現行犯逮捕であるので、私人でも許され、無令状でよい。

現行犯逮捕（日本国憲法第33条、刑訴法第213条）
犯罪の現場にあった犯人、もしくはそう断定するに足る人物の逮捕。無令状でよい（一般私人によっても許される逮捕行為 常人逮捕　英：civil arrest）。

準現行犯・現行犯逮捕について、私人が逮捕を行った場合は、直ちに警察や検察などの捜査機関に通報するなどし、引き渡さなければならない（刑訴法214条、詳しくは現行犯項目参照）。

補導

補導（ほどう）とは、少年の非行防止や非行化の深化を抑止するために適切な措置を講ずることをいう。広い意味があり、一概に逮捕の少年版ではない。

少年の逸脱的な非行行為に関する少年警察活動要綱（昭和35年警察庁次長通達）の中で、補導の概念を、非行の防止と少年の福祉を図るための警察活動の総称として使用している。その活動内容としては、非行少年の発見活動、発見した少年等についての捜査、調査、関係機関への送致または通告、家族や職場への連絡、注意、助言などがある。