実は、最初にこの記事を書いた段階ではマスコミは「無効票が異例の1万5435票」ばかり強調し、うっかり私もそれに騙されてしまったので、長崎市民にはいささか失礼な内容の文面になってしまった。そのことに関してはお詫びします。
後になって、期日前投票で事件前に投票された分が無効になったことが判明した。要するに伊藤市長が射殺する前に八千票が投票されており、大半は伊藤氏に投票されていた、というのが実態だったようだ。
この票は全て無効票になってしまった。
今回のような矛盾が発生してしまったのは、補充立候補制度の欠陥に他ならない。「この選挙そのものが無効、やり直し選挙をしろ」という意見ももっともなのである。
しかし、依然として七千票の意味不明な無効票があったことも事実である。全体の3%強である。
毎日新聞は以下のように伝えている。
長崎市長選 無効票、異例の1万5千票余
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選挙中に現職候補が射殺された長崎市長選では、無効票が異例の1万5435票に上った。大半が、亡くなった伊藤一長市長への投票や白票とみられる。田上さんと、伊藤市長の長女の夫で西日本新聞記者、横尾誠さん(40)が、わずか953票の大接戦を展開しただけに、無効票の多さに、関係者からは「選挙結果に影響を与えたのでは」との声も漏れ、波紋を広げている。
市選管によると、無効票は投票総数(20万802票)の7.69%。
旧長崎市の投票総数(17万8759票)だけをみても、伊藤市長の名前など「候補者ではない氏名」を記載した投票は7463票、白票は4558票あった。このほか「投票のやり直しを求めます」「伊藤一長さん、今までありがとうございました」など、氏名以外の内容を記載した票も1095票あった。
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伊藤市長が死ななければ4選確実といわれていたほど強力だった。それが暗殺されてしまったので急遽娘婿の横尾氏と同市課長の田上氏が立候補した。他にも候補者がいたが最初から泡沫候補で、事実上この二人の一騎打ちだった。
で、市の財界は田上氏に味方し、結果はやはり田上氏の勝利であった。
伊藤氏が暗殺された直後は、氏を平和を希求する良心的人物という評価をしていたが、地元民はそうは思っていなかったようだ。利権がらみの話は当然熟知していたのだろう。
殺されたので利権が委譲したのだ。横尾氏に利権は回ってこなかった。それだけの話である。
白票は4558票あった。このほか「投票のやり直しを求めます」「伊藤一長さん、今までありがとうございました」など、氏名以外の内容を記載した票も1095票あった。
新聞によっては有権者のとまどいと抗議・哀悼を込めている。などと訳の分からない説明をしているが、、無効票を書くことが抗議というのも変な話だ。補充立候補制度に抗議しているのだろうが、「投票のやり直しを求めます」ならまだ意思表示と受け取れるが、白票ではその趣旨が分からない。
哀悼も意味不明、告別式の記帳と同じに考えているなら、本ブログの見出しの通り「アホ」としか言いようがない。場違いな行動である事を理解できないのだから、相当な低能ぶりである。
ガセネタっぽい話だが、ある主婦が「伊藤と書けば横尾さんの票なるのかと思った」などと言ったとか言わなかったとか取りざたされているが、私もこの程度の人が相当いたのではないかと推測している。
長崎市に限らず大方の有権者は、自分のやっている投票行動がどのような結果に至るのかをまるで理解していない。
今回の補充立候補制度がどうしようもない欠陥制度であることは明らかなので、早急な是正が求められることは言うまでもないが、この際だから選挙制度そのものを見直した方がいいのではないだろうか?
頭のいい人間も馬鹿も同じ一票で本当に民主主義は成立できるのだろうか?
私は個人的に制限選挙にすべきだと考えている。中学卒業程度の公民知識を有さないものには選挙権を与えない。免許制度にするのである。公民に関する試験を施し及第点を取れた者だけが選挙をすればいい。
そうすればこのようなばかばかしい結果には至らないだろう。有権者のステータスが増せば、投票率も自ずと高くなるだろう。要するに今の選挙制度は安っぽいのである。ありがたみがないから投票にも行かない。
公明、統一選1724人全員当選 くじ引きでも「執念」
この記事を読んで何も感じない人とは話すことは何もない。
被選挙権に関してはもっと慎重を要するだろう。最低でも高校の公民程度の知識を持って貰いたいものである。被選挙権も免許制にすれば地方の自民党議員は確実に半減するだろう。。(国会議員は増えちゃうかも知れないけど…)
(参照)
長崎市長選 情より手腕を選択 世襲に逆風、揺れた3日間
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