ルーマニアで革命が起きてまだ日は浅い。国民の多くは独裁政権の記憶を共有し、北朝鮮の出来事も他人事とは思えないのだろう。
現代の世界構造では単独の独裁者は存在することができない。チャウシェスクの場合は旧ソ連が後ろ盾であった。その上に乗っての独裁だったので、後ろ盾が消滅した時点で、彼は失脚し処刑された。
金正日の場合後ろ盾は誰か? ルーマニア国民は無邪気に中国と思っている節があるが、それだと北朝鮮の一連の行動を理解することはできない。
北朝鮮の後ろ盾はアメリカである。
「金総書記はあの独裁者と同じ運命をたどるのか?」という問いに答えるとしたら、それはチャウシェスクではなく、サダムキフセインである。弱小国家だったイラクがイランに対抗するために急激に軍事大国になり得たのはアメリカの後押しがあったからだ。彼はとことんアメリカに利用されて、捨てられた。
その事実を一番熟知しているのは金正日である。フセインのようにはなりたくない。それが彼の最優先の行動規範なのである。
金総書記は「チャウシェスクと同じ運命」 ルーマニア紙
金正日(キムキジョンイル)総書記はチャウシェスクと同じ運命をたどるかもしれない――。ルーマニアの主要紙が17日、核実験で孤立を深める北朝鮮について、こんな記事を掲載した。「ソ連がチャウシェスクを排除したように、中国は金正日排除を望んでいる」との見出しで報じている新聞もある。
一連の記事の発端は15日付の英紙サンデーキタイムズ。89年に独裁政権が崩壊したチャウシェスク大統領に対する即決裁判と処刑の映像を、金総書記が幹部らに見るよう命じた、などと報じた。その後、ルーマニア各紙がこの報道を引用し、チャウシェスク政権と北朝鮮に関する記事を載せ始めた。
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