元々は「障碍者」と表記した。「碍」は「さまたげる」と言う意味である。「碍子」という電線で使う絶縁体器具の名称としても使われる。
「碍」が当用漢字にないので「害」で代用させたわけだ。これを決めた奴の程度の低さが今回の問題である。
「碍」を当用漢字に加えれば問題解決するのだが、縦割り行政ではそれもママならず、小みっともない交ぜ書き表記になったわけだ。役人に表記の美意識を期待しても無駄だろう。
当用漢字に採用されるためにはある程度使用頻度の高い熟語が必要とのことである。その意味では「碍」が当確する可能性はあまりない。
「障がい者」の表記検討=政府が制度改革推進本部設置
≪政府は8日午前の閣議で、障害者支援の法整備について議論する「障がい者制度改革推進本部」を設置することを決めた。鳩山由紀夫首相(本部長)をはじめ全閣僚が参加し、年内に初会合を開く見通しだ。
同本部では、法令で使われている「障害」という表記の「害」に否定的な意味があることから、「障がい」という表記に改めることなどを検討。推進本部の名称も「障がい者」とした。
また、就職や教育など、あらゆる分野での差別を禁じた国連の障害者権利条約の批准に向け、5年間を集中期間とし、制度改革を検討する。≫
障害者でなくて「障害」なら意味的に通る。人が対象でなければ問題はなさそうだ。ただし、「障害」と「障碍」では本来意味が違っているはずだ。
「障碍」だって「さまたげ」という意味で外聞は良くない。
こういった場合、日本では馬鹿の一つ覚え的にカタカナ語でお茶を濁すのが常道だった。実際、一時「障害者」に代わって「ハンディ・キャップ」が使われ出したが、英語圏ではこの言葉が差別語として認識されるようになった。それで慌てて引っ込めたという事情がある。
「handicapped」に代わって「disabled」が使われるが、これは文字通り「障碍」という意味である。
これもまずいというので、「Challenged」などという言い方もあるが、これも差別感があるそうだ。「障碍者だとどうして挑戦しなければいけないんだ?」ということのようだ。
英語圏でも頭を抱えている問題である。
今回の用語変更の動きもアメリカへの追従である。どこまで、日本独自の発想でやっているのかも疑わしい。適当なカタカナ語がないから、「日本語」で」頑張るしかないわけだ。
<障害者>制度改革へ自ら政策立案 新組織のメンバーに
何もしないよりはましだろうが、予算の裏付けが乏しいので、言葉遊びに終始しそうだ。
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