真相世界(The truth world)

200801緊迫する日豪関係 激昂する両国民


「南極海で日本の調査捕鯨船団を監視するオーストラリア税関の巡視船を派遣する」と強弁な発言をしていたスミス外相だが、多少は外向的不利益を考慮していたのだろうか、実施を遅らせていた。日本はオーストラリアにとって最大の輸入国なのだ。
しかし、近年オーストラリアは中国や韓国のまねをしてジャパンバッシングで国民の注意をそらそうとする安直な政治手段をとっていた。日本が友好的な態度なのを、下手に出ていると勘違いして横柄になったのだろう。日本の外交政策を考えると仕方ない面もあるが…。
政権交代してそれがより顕著になったようで、踊らされたオーストラリア国民が激昂して騒ぎ出したのである。

オーストラリア政府はオーストラリア税関の巡視船を今週同国西部から出港させた。直接捕鯨船団を攻撃するのではなく、国際海洋法裁判所への提訴など法的手段をとる場合に備えた証拠収集を行うためのようである。「航空機による空からの監視も実施する」とも言っている。

外相はまた、動画投稿サイト「ユーチューブ」に最近同国を批判する日本側の匿名ビデオが掲載されたことについて「不快感を覚える」と語り、こんな脅迫ビデオで同国の反捕鯨の立場は揺るがないと述べた。
要するに、ビデオの内容が真実であることを認めたと言うことだろう。

問題のビデオは日本の捕鯨推進派が、「オーストラリアは人種差別国家だ」と非難する内容で、クロナラ暴動の映像を使っている。
2ちゃんねらーの中には、勘ぐって、「日本人を騙った中国の陰謀ではないか?」 と主張する者もいる。
なかなか鋭い。私もビデオを観たが、確かに中国っぽい印象を受けた。

10分間のビデオは英語と日本語の字幕で、オーストラリア人は白人優越主義、排外的民族主義、人種別イデオロギーに染まっており日本人に偏見を持っていると非難している。

「オーストラリア人の全部がそうだ」と決めつけるのはいささかまずいだろう。彼らにとって日本が最大の顧客である以上、日本に愛想のいい連中が多いのも事実だが、日本にスキーをしに来るような「親日家」はほとんどが富裕層である。
人種差別を標榜して騒いでいるのは下層階級の白人である。白人であること以外プライドを支えるものはないので、同調して騒ぐのである。その意味では日本のバカウヨと通じるところがある。
                            
クロナラ暴動とは2005年12月11日、シドニーのクロナラ・ビーチで発生した白人による人種差別暴動のことである。
ビーチには5,000人以上の白人が集まり、「Aussie Pride!」と叫び、人種差別的な歌を歌うなど緊張が高まった。彼らは国旗を持ち、豪州のTシャツを着るなどし、ビーチは白人のものだと主張した。暴徒化した数百人の白人が中東系移民を無差別に襲撃した。
この事件は豪州に白豪主義(White Australia policy)が根強く残ることを浮き彫りにした。

1980年代、オーストラリアは労働力不足で、大量のアジア移民を認めた。そうした手前「多文化主義」を掲げそれなりにリベラルな体裁をとっていたが、人間の根性がそう簡単に変化するものではない。結局「多文化主義」は10年あまりで破綻してしまった、と見るべきだろう。

この動画は2008年1月8日夕方までに50万回近く再生され、動画のコメント欄には1万件を超える日本語・英語のコメントが書き込まれる「大炎上」の事態にまで発展している。コメントがこれほど大量に書き込まれるのはユーチューブでも異例の事態のようだ。

コメント欄に書き込まれた英語の書き込みには、中にはまともなものもあるが、ほとんどが「ジャップ(Japs)はキモいマンガとかアニメで"自分イメージ"を良く見せるよな。でも今回は失敗なんじゃないか」というたぐいの罵詈雑言である。
対する日本側のコメントも、「豪州政府にIQテストを実施する必要がある」などと罵り合いの様相を呈している。

たった一人の人間(中国や韓国の工作でなかったとしたら)が作ったビデオに、オーストラリア政府は過敏に反応してしまった。オーストラリアはしばらくジャパンバッシングの嵐が吹きまくるだろう。
例によって日本の外務省はダンマリを決め込んでいる。
しばらくの間、オーストラリアに旅行しない方がいいだろう。

(記事)

捕鯨監視船、今週出港 豪外相が発表

「白豪主義オーストラリアと反捕鯨」

豪デイリー・テレグラフ:

捕鯨問題で「豪批判」動画 YouTubeで日豪サイバーバトル



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コメント一覧

珠洲
クロナラ暴動
豪州のアジア人蔑視はあるようだ。昔、ブリズベンに出かけた時の、白人達のことがなんとなく思い出す。

少々、我々の homestay program が
ありがた迷惑だったのかしら、あの頃は。

これも様子見かな。それじゃまた。
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