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娘を誇りに思う

2012-08-23 00:19:39 | 小説
内戦が激化しているシリア北部アレッポで20日(日本時間20日夜)、反体制武装組織に同行して取材していた日本人女性ジャーナリスト・山本美香さん(45)が政府軍の一団に銃撃され、死亡した。

生前の山本美香さんのレポート
「戦争取材は経験していても、進行形で人が死んでいくのを見るのは初めて。血だらけで泣いている私に、後から来た人が『防弾チョッキを着なさい』と言ってくれて、初めて『そんなに危険だったんだ』と気付きました。部屋に飛び込んだ時点から、取材者ではなく当事者になっちゃったんですね。あの時は衝撃があった瞬間、カメラを持って部屋を飛び出していた。よく思い出すと、ふと、『あ、カメラ回さなきゃ』って思った瞬間もあるんですよ。片手で助けながら、片手で撮りたいという、2つの心があって。でも結局カメラは投げていましたね。後から自分の映像を見て、『あんな声を出していたんだ』と思った。とにかく、『どういうことなの、この事態は』って怒りまくっていたんです。それは被害にあった人たちが見せる、ぶつけどころのない怒りと一緒なんです。

「早く会いたい」。山本さんの父、孝治さん(77)が山梨県都留市の自宅で振り絞るように語った。

 悲報が届いたのは、21日午前9時ごろ。山本さんと行動を共にしていた同僚の佐藤和孝さん(56)から、「取材中に乱射された」と電話で伝えられた。

 「安全を祈る」と題した孝治さんのメールに、シリア国境に近いトルコ国内から15日、返事が届いた。「紛争とは縁のないとても平和な田舎町です」との返信が娘との最後のやりとりとなった。

 「紛争地の女性や子供の現実を、私が生きて帰って知らせる」。そんな思いを孝治さんは言葉の端々から感じていた。「戦争ジャーナリストじゃなくてヒューマンジャーナリスト。娘を誇りに思っています」と孝治さんは語った。

最近、何かあれば人が悪い、国が悪いと言う昨今、娘の死に対して、いろいろな感情の中から誰も責めはせず発せられた珠玉の言葉。



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