利根川下流地帯には有名な神社が多く、なかでも鹿島・香取は有名ですが、常陸利根川左岸に息栖(いきす)神社があります。この3社をめぐる面白いウオーキングコースが出来そうだと思い、数年前に歩いて見ました。確かによいコースでそれ以後、毎年2-3回歩いています。自分ながら良いコースを見つけたものだと満足していたところ、あとになって東国3社めぐりは江戸時代の有名な物見遊山のコースであったことがわかりました。当時は歩くだけでなく、船も使ったのでしょう。
ある日ふと思い立ち、我孫子駅発(0630)、成田、佐原乗換、鹿島神宮駅着(0835)で現地へ向かいました。早朝で人通りの少ない鹿島神宮を参拝(0900)、今来た道を少し戻り、大通りを西へ直進、鰐川のほとり神宮橋(0925)へ出ます。ここをわたらず左折、鰐川左岸を下流へ進みます。前方に鰐川橋が見えます。橋のたもとの小公園着(1040)、数分休憩。
これから先は利根川下流地帯の興味深いところで、突如眼前に巨大な湖(外波逆浦―そとなさかうら)が現れます。霞ヶ浦でもなく、北浦でもなく、これは一体なんだという印象です。霞ヶ浦から流れ出た常陸利根川と北浦から流れ出た鰐川がここで合流し、大きな湖になったというわけです。
そのまま左岸を歩けば、外浪逆浦が狭まり、常陸利根川になります。しばらく歩くと、正面に大きな鳥居が見えてきます。このあたりは割と大きな集落ですが、猿田姓の家が目立ち、猿田水産という会社もあります。古事記で有名な「猿田彦」の子孫でしょうか。鳥居を左折すれば息栖神社です。鹿島・香取ほど有名ではないが、なかなか古い由緒ある神社で、境内のたたずまいはすばらしいものがあります。祭神は岐神(くなどの神―厄除け招福)、住吉3神(海上守護)、天鳥船の神(交通安全)です。どうしたわけか「案内神」ばかりです。猿田彦も案内神でした。
ここへ1145到着しました。ここまで約15キロです。参拝後、少し早いが神社横の公園(便所、水道あり)で昼食。例によってポケットコンロでコーヒーを沸かし一服、1210出発しました。その際鳥居横にある日本三霊水のひとつ忍塩井を見物、かの有名な水中の女瓶男瓶は見ることが出来ませんでした。()
息栖神社鳥居へ戻り、これから行く方向、すなわち常陸利根川左岸の方向を見れば、約1キロ半先に息栖大橋、その右手に利根川(本流)にかかる小見川大橋が見えます。この一帯では常陸利根川と利根川は並行して東南へ流れています。この二つの橋は交通量多く、トラックがびゅんびゅんと走っていますが、歩道がついているので安心です。息栖大橋、続いて小見川大橋を渡り、利根川右岸に出ます。この地点(1245着)で約18キロ。
ここが思案のしどころです。もう歩きたくなければ、歩いてきた道を直進、小見川の町に入り、左折すれば約2キロで成田線小見川駅に出ます。今回はそうせず、右折し利根川右岸を北上します。ここから津宮の鳥居まで約9キロが利根川特有の退屈な歩きになります。強い向かい風に遭遇すれば、大変難儀をするところです。歌でも歌いながら歩くのが良いでしょう。
関東自動車道利根川橋をくぐり、続いて鹿島線の下をくぐり、香取の町を左に見て、更に直進すれば、津宮の鳥居に出ます。1440着、ここまで約27キロ。ここを左折して直進、1510香取神宮に到着しました。ここまで約30キロ。本殿参拝後門前の茶店でコーヒーに団子で、道中の無事を東国3社の神々に感謝しつつ、一休み。今来た道を戻り、香取駅へ向かいました。このコースは一部退屈なところもありますが、東国3社を取り込んだなかなか興味深いコースです。皆さんもぜひ歩いてみてください。
地図:国土地理院 佐原東部、潮来、常陸鹿島、神栖、以上いずれも二万五千分の1。
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