手賀沼日記

貿易実務の落し穴  貿易講座 65

貿易実務の落し穴ー安全保障貿易管理

5年、10年と貿易を担当し、わかってきたなという時点で、非常に重大な落し穴があります。最近新聞報道で見られる、安全保障貿易管理に関する問題です。経験を積んでくると、何でも出来ると自信過剰になりがちです。貿易企業自体が最終的な責任を負うマーケテイング関連については良いとして、貿易にかかわる許認可事項は最終的に国が決定し、判断するものです。貿易企業はここまで踏み込んで、最終判断を行なうことは出来ません。

安全保障貿易管理については、通常兵器や大量破壊兵器を対象に、国際的な枠組みがあります。わが国には、わが国の安全保障輸出管理があり、リスト規制とキャッチオール規制から成り立っています。貿易を行うものは、この点についての目配りが常に必要です。

具体的な取引で、何となく問題点らしいことが出てきた、あるいは何か許認可関係をチェックすべきではという不安が出てきたら放置してはいけません。経済産業省の担当部局や安全保障貿易情報センター(CISTEC)などへ問い合わせ、万全を期すべきでしょう。多少仕事がわかってくると、ついついこの点がおろそかになるものです。

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