近年新入社員がすぐやめるという話をよく聞きます。私はこれは当然ではないかと思うのです。彼らは自分は会社で何をしたいと明確な考えを持っています。一方採用した会社は、入社した以上どう使うかは会社の勝手と思っています。就職ではなく「就社」なのです。
新入社員にとって、入社はしたものの、お先真っ暗。将来の自分の姿が全く見えないのです。希望する分野の仕事ができるのか、それはいつなのか。とにかく疑心暗鬼です。
誰もが自分の将来についてそれなりの夢を持っているはずです。しかしながら、多くのわが国企業は、一括採用で社員の夢を実現しようという気はなく、自己都合で配属先を決定します。これでは元気のよい若手は飛び出すでしょう。
数十年前の私もまったく同じ気持ちでした。しかし当時は、飛び出せばほかに受け皿はないのです。石の上に3年の辛抱でした。