手賀沼日記

騙されてはいけない―貿易講座192回


Q 輸入した商品に欠陥があり、売主にクレームしたところ、売主より下記のように断ってきた。「国際取引規則インコタームズ2010 A4項及びA5項において、商品の危険(リスク)は船積地で運送人に渡した時点で、買主に移転している。したがってこのクレームには売主は無関係であり、買主がその責任で処理すべきである。」
なんだか一方的な理屈で納得できないが、どのように対処したらよいか。

A 買主指摘の通り、身勝手な一方的主張である。インコタームズ2010は、そのA1項において、売主は売買契約に合致した商品を提供しなければならないと述べている。危険(リスク)負担の分岐点は、売主の言う通りだが、商品に内在する欠陥は、売主の責任である。

このような紛争はよく起こるが、インコタームズを持ち出して来るのは珍しい。まさに詭弁と言えるだろう。

当面の対策としては、執拗に交渉しクレームを認めさせることに尽きるが、クレームを立証する、検査報告書やその他裏付け資料がポイントとなる。

事前の対策としては、信用のおける相手を選んで取引するのが一番だが、事実上選択が難しいこともある。したがって代金の一部を、商品検収後に支払う条件で契約をすることを検討する。

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