本年も相変わりませず、おやじの毒舌に付き合っていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
東伯郡湯梨浜町はわい温泉15番地
「はわい温泉 翠泉(すいせん)」 【1631】

県中部、穏やかな東郷湖の西に位置する「はわい温泉」の一角に佇む、翠豊かな赤瓦が目印の湖畔の宿です。

いつもの年であれば手打ち蕎麦を振る舞う大晦日に、母を連れ立ってこの鄙びた温泉宿で、新年を静かに迎えることにしました。

夕映えの東郷湖。 見るものをふわっと包み込むような、優美で慈しみのある湖ですね。

此処はよくある一部ではなく、100%源泉かけ流しのお風呂なんです。

もてなしの心を先ず第一に考え、1日5組限定のみというところが気に入り、此処に決めました。

故にお風呂もコンパクトですが、周りを気にすることなくゆっくりゆったり、日頃の疲れを取ることができます。

早速、鉄平石の内湯「満寿の湯」で、ひと風呂浴びることにしましょう。

さあ夜懐石の始まりですよ~♪
尚食事を摂る部屋は、別室となっています。

お献立。
ズラリと並ぶ料理の名目に、ワクワクしてきましたよ!

先ずはミックスベリーの「食前ドリンク」と、「前菜4種」に「茶碗蒸し」
穏やかな優しい味わいで、胃腸がゆっくりと始動を始めました。

カンパチ、アカエビ、アオリイカ、本マグロの「造り」
もちろんいずれも鮮度抜群で、特に本マグロの後に尾を引く旨味の乗った味わいには、「オオッ」と唸ってしまったほどです。


「鰤の包み焼」
所謂奉書焼の類で、ブリの旨味が凝縮されており、お酒の進むこと!(今回は「上撰 鷹勇 16度」をお供にいただいています)

「海老芋の蒸し煮」
シンプルな構成ながら、その色合いがなんとも雅で、一瞬見入ってしまいましたよ。 もちろん味わいもコクの中にも繊細さを感じ、言うこと無し! また、のっけてあるとろろとユズが、よいアクセントとなっています。

この時期外せない「かにしゃぶ鍋」
ホッコリ身体が温まります(^^♪

「揚げ物」
内外の食感の秀逸さは実に見事で、特にエビのプリモチ感は特筆に値することこの上なし!

〆の「五目炊き込みおこわ」に「海老餅と湯葉の吸い物」+「漬物」
素朴さの中にも一本芯の通ったところがあり、特に吸い物の湯葉は、本場京都に負けないまったりとした深みが楽しめNice!

水物「自家製とろとろプリン」と「王秋梨」
穏やかな甘味の余韻を残しつつ、静かに宴の幕が閉じました。

初日の出。
雲の隙間から一瞬ですが、一条の御光が湖面に映えましたよ。

「朝食」
メインはカレイの一夜干しに湯豆腐、出汁巻で、その脇を固める小鉢にさえ、細やかな心遣いが見て取れます。

それでも八部づきの艶もち「ご飯」と、東郷湖のシジミが入ったホンノリ甘味の漂う「シジミ汁」の旨さには敵いませんでしたよ! 参った!

さて帰路に就く前に、朝風呂としゃれこみます。

御影石の露天風呂「翠明の湯」
湯船からは湖が展望でき、時折水鳥が水面を行き交い、正にこの世の天国に佇んでいるようで癒されましたよ。
お正月を静かに迎えるのにはピッタリの湯処であり、心身ともにリフレッシュできましたよ。 また関西仕立てのお料理にも好感がもて、また時節の節目に伺おうかなと思いつつ、お宿を後にしました。