カレーです。
6月病真っ盛りです。
“プロレスのあるゴールデンウィーク”の余韻で乗り切った5月が明け、
なんとなーーく直面する現実の数々と、あれやこれやの交錯に、
ジトッと気分が重い感じのテンションが続いています。
だがしかし。
たとえ気分が重かろうがなんだろうが、
観たいものはもちろん観たい。
そして私はこの試合を観るために、
この気分を引き受けたと言って過言ではないのです。
ということで、
ワタシ的にこの6月屈指の超期待カード、
高梨将弘vs翔太について。
久しぶりのゴールデンウィークのプロレスがとても楽しくて、
“とりわけ”というのが選べないほど盛りだくさんに、
先々に繋がる動きもたくさんありました。
で、
5.4ガンバレ☆プロレス後楽園大会、
第4試合という真ん中のカードで、
“ガンプロvsBASARAvsChocoPro”
(と謳いながらガンプロ所属は1人、BASARA所属も1人)という
割と唐突ながら大変複雑、かつ、超面白い3Wayタッグマッチがありました。
チームChocoProはクリス・ブルックス選手&アントーニオ本多選手の“The癒やされるズ”に…
ChocoPro現場監督である高梨将弘選手が帯同。
ゴールデンウィークに狂乱の限りを尽くした
(と勝手に思っている)アントーニオ本多が狂い咲く中、
試合を制したのはこの試合唯一のガンプロ所属選手・翔太選手でした。
学生プロレス時代の同期であり、
10代からの友人である高尾蒼馬選手との“ROMANCE DAWN”に、
手応えも掴みかけている“何か”も感じている翔太選手は…
もはや“得意”と言っていい饒舌なマイクで、
自身の思うところを言葉に乗せてぶつけました。
眼の前に現れた、格好の“獲物”。
“CDK”高梨将弘&クリス・ブルックス組を、眼の前にして。
翔太選手の言葉を受けて、
高梨将弘選手は半ばクリス・ブルックス選手の意思より自身の意思を優先して、
この対戦要求に応じました。
この当時はアジアドリームタッグとKO-Dタッグの2冠王者。
王者として、「持っているものを賭けて」戦うことも辞さない形で。
かくして、ガンバレ☆プロレス大田区大会というビッグマッチの舞台、
真っ先に決まったカードがこの、
“CDKvsROMANCE DAWN”。
この構図がまずそれで充分楽しみなのですが、
7.10に控えたビッグマッチを見据えて、
組まれたカードが私にとっては衝撃的でした。
(もう一方の高尾蒼馬vsクリス・ブルックスが、
クリスの怪我で流れてしまったのはもちろんそれはそれで残念です。
仕方ない。)
そのカードが、“高梨将弘vs翔太”です。
お二人の最初の接点はいつになるでしょう。
やっぱり、インディペンデントの強い“磁場”であった、
西調布がまず真っ先に思い浮かぶところです。
翔太選手は学生プロレスラーとして
UWF(関東学生プロレス連合)で活動する傍ら、
西調布にあったU-File Campの道場である西調布アリーナで、
プロレスクラス(=STYLE-E)で田村和宏選手(現・TAMURA)の指導の元研鑽を積み、
2008年にSTYLE-Eでデビュー。
当時のSTYLE-Eは前述の通り独特の強烈な磁場があり、
今もインディー、プロレス界の様々なマットで活躍する選手たちが入り乱れていて、
その中で“獅子王軍”あるいは、“獅子一色”という、
“獅子王”大家健→“獅子殿”大家慶次郎を首魁とするユニットがありました。
その獅子一色の参謀として采配を振るっていたのが、
高梨岩兵衛…と名乗る、まあ、言ってしまえば、
高梨将弘(の別側面)であったりしました。
STYLE-E、あるいは西調布の中でお二人にどこまで接点があったのかは、
個人的にはあまり詳しくはありません。
むしろ個人的に記憶に残っているのは、
…あれはもういつのことだったでしょうか。
翔太選手が、おそらくガンバレ☆プロレスの中で、
自身のプロレスの持ちネタ(モノマネ)をひたすらに披露する場がありまして。
(オレンジタウンだったかもしれないし、それよりもっと以前の話かもしれない)
その中で、少しハニカミながら「スタイル的に高梨さんに憧れているところがある」と、
正直にそのプロレスラーとしての憧憬を明らかにしながら…
あまりにも。
あまりにも見事な、高梨将弘のモノマネを披露するのでした。
翔太選手はその後、様々な場で…
というかむしろ高梨将弘選手本人が主催の大会や、
本人の関わる試合の中で、限りなく完璧にブラッシュアップされた
“ジェネリック高梨将弘”を再三に渡って披露し、
ついにはそのまま“ジェネリック酒呑童子”、
あるいは、“ジェネリックCDK”として試合までもこなすようになるわけですが…
やっぱり、ここまで見事なトレースを見せる背景に、
ガンプロの中で零した前述の言葉が深く深く根ざしている気がしてなりません。
そして、そうして向けられる想いに最大限応え、
向き合い、ともすれば楽しむプロレスラーが、
高梨将弘という選手であるようにも思っています。
このカードが決まって、
高梨将弘選手はこんなツイートをされていたと記憶してます。
「前哨戦じゃない。この試合をずっと狙ってた。」
(うろ覚えですが)
昨年の復帰以来、
ChocoProでの現場監督、DDT所属のレスラーという2つの立場を両立させながら、
クリス・ブルックス選手とのCDKとして初のベルトとなる
アジアドリームタッグ王座戴冠から、
KO-Dタッグ王座の獲得による2冠王者に。
その後ベルトを落としながらも、
これまである意味で鬼門となっていた後楽園ホールシングルメインの舞台で、
MAOを相手にDDT UNIVERSAL王座を奪取。
なんとなく、今年の上半期、
インディペンデント界の“主役”の座にいるというか、
そういう“風”が吹いている高梨将弘というプロレスラー。
その強い強い流れを持ったプロレスラーに対するは、
2020年後半から2021年頭、
自らの意志で“風”を吹かせ、
その風に乗りに乗って“主役”の座を掴み取ったプロレスラー・翔太。
普段はなんとなく、
場をうまく動かしたり、回したり、まとめたり、
という器用な立ち回りのイメージの強い二人。
でも、一度マイクから想いを届ければ、
観客の魂を言葉で揺さぶることのできる、
類まれなる二人。
自らの、あるいは、自らに期待を向ける誰かの想いを受けたとき、
押しも押されもせぬ“主役”になることのできる二人。
今、“風”は確実に、高梨将弘に吹いている。
でもその“風”に自身を乗せることができるのが、翔太というプロレスラー。
6.7ガンバレ☆プロレス新木場大会。
今一度、高梨将弘選手の言葉を思い出します。
この試合は、“前哨戦じゃない”。
二人のプロレスラーが、どちらがより“主役”かを示す、真剣勝負。
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