この教師は中学校で数学を担当していて、
独身でスタイルがいいので、
父兄参観日にはお母様たちに人気があります。
しかし天は二物を与えずとは良く言ったもので、
この教師の最大の欠点は歯磨きが大嫌いなので、
いつも歯が汚いことでした。
そこで、同僚の保健体育の女性教師から、
歯科医へ行くようにと言われていたのですが、
面倒だし歯医者は嫌いだと、
一向に歯医者さんへ行こうとしなかったそうです。
子どもは何にでも敏感に反応しますから、
実は生徒の間でこの教師につけた渾名は、ダサい歯、だったのです。
つまり歯が汚い、ということで、ついにある日生徒たちから、
「ハイ、ダサい歯先生」とからかわれてしまいました。
その教師はこの言葉を最初は効き間違えて
「太宰先生」かと思ったそうです。
有名な作家の太宰治と数学の教師の私のどこに共通点があるのか、
と思ったそうです。
しかし、それが「汚い歯」すなわち「ダサい歯」だと分かった時には、
生徒に反論することはできなかったそうです。
そこで一念発起、この数学の教師は歯科医院へ行き、
幸い虫歯も歯周病も無かったので、ホワイトニングをしたのです。
おまけ話を言いますと、きれいな白い歯になった教師に
保健体育の女性教師がすっかり惚れ込んでいるそうです。