先日,といっても10日ほど前のこと。
私の父親が胃がんの手術のため,神戸ポートアイランドで急きょ呼ばれた仕事を済ませて,大倉山の神戸医大へ急行。
病院の入口で,どこかでみたことある口ひげの人が座っているんですが,えっと誰だったっけ・・?と思いながら家族待合室へ。
父親の手術は当初8時間と言われていたものが何の連絡も無いまま,すでに8時間が経過。
でも,異常がない限り家族には知らされないため,終わるまで安心して待っててくださいと言われながらも10時間が経過。
同じく待合室にいた男性の方が一人。
その人のご家族の方は(恐らく奥さんでしょうか)予定通り8時間で終えて安堵の表情でICUへ呼ばれていました。
残されたうちら。
家族待合室でひたすら待ちぼうけの間,コーヒーでも買出しに行こうと3階から1階へ降りる階段をとことこ降りていると・・
2階の踊り場から見えた検査室の廊下のベンチに,ポツンと座っていた一人の人物。
アーロム・バルディリス本人。
そういえば,さっき入口の待合室に座っていた「どっかでみたことある口ヒゲのオッサン」は,
ヒーローインタビューにも現れていた通訳の人だったんだ。
ちょっと,偶然知り合いに鉢合わせた気分で,「よっ!」と片手を挙げると。
「・・ん?」と面倒くさそうに顔を上げてこっち見るバルディリス。
私を見るために顔を上げたのか,それともちょうど検査に呼ばれて顔を上げたのか。
そのまますくっと立ち上がり,検査室へ歩いていきました。
そういえば,前日は西勇輝のノーヒットノーランでシーズンが終わったばかりだったっけ。
結局,西のことは関西のスポーツ紙で一面を飾ってなかったけど,
そのスポーツ新聞にはバルディリスが翌日にベネズエラへ帰国するって書いてあったところ。
来年の契約のために精密検査をしに来ていたんでしょうね。
その後,オリックスのカレンダーが飾られた整形外科の前を通り,
清原和博の引退試合のユニフォームが飾られた吹き抜けの待合室を抜けてドトールコーヒーへ。
マロン・ラテを買って再び待合室へ。
結局12時間の手術を終えて,医師から呼び出され,取り出したばかりの血にまみれた胃袋と膵臓をもとに説明を受け,
胃袋を失い痛みに耐える父親の姿をICUで見てから帰宅の途へ。
この日は実家に帰って一晩過ごしたのですが,
そこには,落ち着かないもう一人の姿が。
いつもいる人が家にいないことを気にしてるんだろうか。
勝手にはさみで毛を刈られたり,足腰弱ってるのにムリヤリ散歩に連れまわされたりしながらも,
なぜか強引な主人を慕ってるんだよね。
「もうじき帰ってくるから,安心しなよ。」
そう伝えたいものの,この子はひたすら玄関のドアの前でドアの先を見つめていたり。
待合室の時から,ぼんやり考えていたのは,
胃袋のない人に「退院したらおいしいもの食べに行こう」とも言えないし,
自分だけ食事してるとこを見せるわけにもいかないし。
わがままなところもあるし,こっちが心配してる以上に面倒かもしれないし,
心配しすぎてると逆に気を使わせるし。
胃を取る前日,看護士さんから「じきに缶ビール1本くらい飲めるようになるかも」って言われて
凄く嬉しそうにしていたのを見ていただけに,そういう希望がある方が人生いいのかもとも思ったり。
でもまずは,うちの父親もこの子も早く再開したいだろうし,まずはそれを楽しみに早く退院するまでに回復してもらわねば。
と,同時に,この子の口元にも大きな腫瘍が出来ていることが最近になってわかりました。
もう14歳だし,年齢と共に身体に異常が出ているのは,覚悟しなければならない事実。
獣医さんからは,手術をして除去するという選択肢があるということは言われているんですけど,
この子を一番かわいがってきた父親から,「年老いて身体が弱っているこの子に,しんどい思いをさせる手術はさせない」という決意を聞き,
この先の運命をゆだねることにしました。
とにかく,今を大事にすること。
とにかく今を優先に考えなければならないということです。
美味しいものなら,お腹一杯いくらでもあげるよ。
でも,やっぱりお父さんが帰ってくるのを待ってるんだよね。
この子のためにも,早く帰ってもらわなければ。
そして,何か食べること,飲むことを楽しみに生きてきた父親に対して,
それ以外の楽しみを見つけてもらいたいもの。
例えば野球観戦,とか?
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お時間とお気持ちに余裕がありましたら・・。
私の父親が胃がんの手術のため,神戸ポートアイランドで急きょ呼ばれた仕事を済ませて,大倉山の神戸医大へ急行。
病院の入口で,どこかでみたことある口ひげの人が座っているんですが,えっと誰だったっけ・・?と思いながら家族待合室へ。
父親の手術は当初8時間と言われていたものが何の連絡も無いまま,すでに8時間が経過。
でも,異常がない限り家族には知らされないため,終わるまで安心して待っててくださいと言われながらも10時間が経過。
同じく待合室にいた男性の方が一人。
その人のご家族の方は(恐らく奥さんでしょうか)予定通り8時間で終えて安堵の表情でICUへ呼ばれていました。
残されたうちら。
家族待合室でひたすら待ちぼうけの間,コーヒーでも買出しに行こうと3階から1階へ降りる階段をとことこ降りていると・・
2階の踊り場から見えた検査室の廊下のベンチに,ポツンと座っていた一人の人物。
アーロム・バルディリス本人。
そういえば,さっき入口の待合室に座っていた「どっかでみたことある口ヒゲのオッサン」は,
ヒーローインタビューにも現れていた通訳の人だったんだ。
ちょっと,偶然知り合いに鉢合わせた気分で,「よっ!」と片手を挙げると。
「・・ん?」と面倒くさそうに顔を上げてこっち見るバルディリス。
私を見るために顔を上げたのか,それともちょうど検査に呼ばれて顔を上げたのか。
そのまますくっと立ち上がり,検査室へ歩いていきました。
そういえば,前日は西勇輝のノーヒットノーランでシーズンが終わったばかりだったっけ。
結局,西のことは関西のスポーツ紙で一面を飾ってなかったけど,
そのスポーツ新聞にはバルディリスが翌日にベネズエラへ帰国するって書いてあったところ。
来年の契約のために精密検査をしに来ていたんでしょうね。
その後,オリックスのカレンダーが飾られた整形外科の前を通り,
清原和博の引退試合のユニフォームが飾られた吹き抜けの待合室を抜けてドトールコーヒーへ。
マロン・ラテを買って再び待合室へ。
結局12時間の手術を終えて,医師から呼び出され,取り出したばかりの血にまみれた胃袋と膵臓をもとに説明を受け,
胃袋を失い痛みに耐える父親の姿をICUで見てから帰宅の途へ。
この日は実家に帰って一晩過ごしたのですが,
そこには,落ち着かないもう一人の姿が。
いつもいる人が家にいないことを気にしてるんだろうか。
勝手にはさみで毛を刈られたり,足腰弱ってるのにムリヤリ散歩に連れまわされたりしながらも,
なぜか強引な主人を慕ってるんだよね。
「もうじき帰ってくるから,安心しなよ。」
そう伝えたいものの,この子はひたすら玄関のドアの前でドアの先を見つめていたり。
待合室の時から,ぼんやり考えていたのは,
胃袋のない人に「退院したらおいしいもの食べに行こう」とも言えないし,
自分だけ食事してるとこを見せるわけにもいかないし。
わがままなところもあるし,こっちが心配してる以上に面倒かもしれないし,
心配しすぎてると逆に気を使わせるし。
胃を取る前日,看護士さんから「じきに缶ビール1本くらい飲めるようになるかも」って言われて
凄く嬉しそうにしていたのを見ていただけに,そういう希望がある方が人生いいのかもとも思ったり。
でもまずは,うちの父親もこの子も早く再開したいだろうし,まずはそれを楽しみに早く退院するまでに回復してもらわねば。
と,同時に,この子の口元にも大きな腫瘍が出来ていることが最近になってわかりました。
もう14歳だし,年齢と共に身体に異常が出ているのは,覚悟しなければならない事実。
獣医さんからは,手術をして除去するという選択肢があるということは言われているんですけど,
この子を一番かわいがってきた父親から,「年老いて身体が弱っているこの子に,しんどい思いをさせる手術はさせない」という決意を聞き,
この先の運命をゆだねることにしました。
とにかく,今を大事にすること。
とにかく今を優先に考えなければならないということです。
美味しいものなら,お腹一杯いくらでもあげるよ。
でも,やっぱりお父さんが帰ってくるのを待ってるんだよね。
この子のためにも,早く帰ってもらわなければ。
そして,何か食べること,飲むことを楽しみに生きてきた父親に対して,
それ以外の楽しみを見つけてもらいたいもの。
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