たった一人で始めたから
一人で歩き続けなきゃいけない
誰もそこに行きたいとは思わないから
そう思った時もある
自分が思ったことは
誰にも話しちゃいけない
誰も聞きたくはないから
そう信じた時も
いろんな時があった
追い風に吹かれるように歩いた時もあった
見えない何かに支えられるように歩いた時も
一緒に過ごした夜も
涙の朝も
傷つけ合ったことも
慰め合ったことも
探し求めた時も
離れた時も
一人恨んだ日も
立ちつくした雨の日も
喧噪を逃げ出して平穏を求めた時も
そして再び一人になった時も
路地に薄暮が押し迫り
どうしようもなく孤独を感じる時さえも
きっと声が聞こえてくることを楽しみに待ちながら
遊び続ける子どもたちは
一分一秒を惜しむかのように
今を生きてる
やがて聞こえてくる
懐かしい声
「ご飯だよ。帰っておいで。」
名残を惜しみながらも
いそいそと家路につく
そこで待っているものに
心をときめかせながら
たまらないほどの郷愁の想いに駆られた時
帰る場所があることに
ふと 気づいた
僕たちは一度も神さまの家の庭を出たことはなかったんだ
たとえどんなに遠く離れて生きていても
見守られているし
声をかけ続けてくれている
そしていつかきっと
また呼ばれる時がくる
懐かしい声と温かい笑顔で
「遅くなったよ。かえっておいで。」
路地に忘れ去られたボール一つ
眠ったように佇んでいる
明日になったらきっとまた
子どもたちに会えることでしょう
それまでは夢の中で。
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