先日のシングル*1に続いてアルバムを。
音楽に対する評価って往々にして、時間の経過と共に変わってしまう。
特に自分が好んで聴くような音楽は、その時代の空気(流行廃りも含む)を反映させるから尚更。
年間ベストとかが好きなのは、その時点で自分はどういう風に聴いていたかを振り返られるから。
そもそも、音楽についての文章を読んだり、書いたりするのは「どういう風に聴いているのか。その音楽のどこを聴いているのか。」について知ることが楽しいから。
という分けで、振り返る2010年の上半期。
[A]ライムスター『マニフェスト』(Ki/oon Sony)
完全復活作!
……いや、新たなデビュー盤と呼ぶべきか?
ライムスターは(結果として)日本のヒップホップの教科書的なモノを体現していたが、『マニフェスト』はまさに教科書となるだろう。
20年のキャリアを経て「ラストヴァース」のような言葉が出てくることには、素直に感動したし、熱くなった。
宇多丸のシネマハスラーで培われた映画力がこのアルバムの構成力に貢献している。
そして、何よりMummy-Dのフロウ。
「Come On!!!!!!」のあの雄叫びが聴きたいが為に何度も繰り返してしまう。
惜しむらくはMr.Drunk*の不参加。
今回はMummy-Dが監督に徹するという意味合いがあった為だと思われるが、ファンとしては寂しい。
グループのキャリア上必要な措置だったと思うし、その企画は成功していると思うのだけれど。
次回作も既に製作中とのことだけれど、Mr.Drunkの『マニフェスト』に対する返答を望む。
* Mummy-Dのトラック・メイカー的側面。・・・念のため。
AMAZON | マニフェスト(初回限定盤)(DVD付) [CD+DVD, Limited Edition]
[B]Andres『ANDRES II』(MAHOGANI MUSIC)
《MAHOGANI MUSIC》からSlum VillageのDJがMoodymannと共同プロデュースでリリースしたアルバム。
こう書いてしまうと、実も蓋もないが、この文の固有名詞が分かる人には伝わるだろう。
ビートダウンとヒップホップの狭間のようなグルーヴ感で、ザックリとした大ネタ使いは同郷のJ Dilla『Donuts』の影響もあるのかもしれない。
野田努氏が指摘するように、デトロイトの人々はラジオから流れる地元の音楽に酔いしれるが、1曲1曲が短尺であることとモノトーンにならないアルバムの構成など、ラジオ的な要素は大きい。
ソウル/ジャズ/ファンク/アフロ/ディスコなどブラック・ミュージックのエッセンスがギュッと詰まった濃厚さでも胃もたれしない感じはそこに起因しているのかも。
AMAZON | ANDRES II
[C]Yogurt & Koyas『Chill Out』(Third Ear)
リリースまで紆余曲折あったアルバム(「サイゾー」のインタビューを参照)。
結果として、本家『CHILL OUT』から20年であり、三度アンビエントの夏が訪れそうな今春のリリースは良かったのではないかと思う。
過去記事 | I think therefore I Ambinet,and I will chill.
AMAZON | DJ ヨーグルト&コヤス『CHILL OUT』
[D]2562『Unbalance』(TECTONIC)
おそらく2010年はダブステップ躍進の年として記憶されるだろう。
1994年がテクノ躍進の、1997年がドラムンベース躍進の年であったように。
UKのベースカルチャーの系譜であるドラムンベース~ダブステップといった流れが、ベルリンのミニマル・ダブと合流して渦巻いている。
ミニマル・ダブはシカゴやデトロイトの影響を多分に含んでいるから、大西洋を渡って二つの流れが合わさったわけだ。
当然それらのそもそもの源流にはアフリカがある。
つまり、これぞブラック・アトランティックの最新型なのだ!
・・・・・・とまぁ、意味がありそうでないことを書いてしまうほどカッコいい!!
AMAZON |2562『Unbalance』
[F] Four Tet『There Is Love in You』(Domino)
U.S.インディー・ロック(Pitch Folkが取り上げるような)に目配せしつつ、ベルリンのミニマルを通り過ぎて、U.K.のポストロック・アーティストが作り上げた傑作。
更にシングルではFloating PointsやRoskaまでも起用するという抜け目のなさ!
リミックスはヴァイナル・オンリーだったから、リミックス・アルバムでるだろうなぁ。
まもなく3rdカットもリリースされるようで、間違いなく2010年度重要作品のひとつ。
AMAZON | Four Tet There Is Love in You
*12010/6/2 2010 年上半期ベスト
音楽に対する評価って往々にして、時間の経過と共に変わってしまう。
特に自分が好んで聴くような音楽は、その時代の空気(流行廃りも含む)を反映させるから尚更。
年間ベストとかが好きなのは、その時点で自分はどういう風に聴いていたかを振り返られるから。
そもそも、音楽についての文章を読んだり、書いたりするのは「どういう風に聴いているのか。その音楽のどこを聴いているのか。」について知ることが楽しいから。
という分けで、振り返る2010年の上半期。
[A]ライムスター『マニフェスト』(Ki/oon Sony)
完全復活作!
……いや、新たなデビュー盤と呼ぶべきか?
ライムスターは(結果として)日本のヒップホップの教科書的なモノを体現していたが、『マニフェスト』はまさに教科書となるだろう。
20年のキャリアを経て「ラストヴァース」のような言葉が出てくることには、素直に感動したし、熱くなった。
宇多丸のシネマハスラーで培われた映画力がこのアルバムの構成力に貢献している。
そして、何よりMummy-Dのフロウ。
「Come On!!!!!!」のあの雄叫びが聴きたいが為に何度も繰り返してしまう。
惜しむらくはMr.Drunk*の不参加。
今回はMummy-Dが監督に徹するという意味合いがあった為だと思われるが、ファンとしては寂しい。
グループのキャリア上必要な措置だったと思うし、その企画は成功していると思うのだけれど。
次回作も既に製作中とのことだけれど、Mr.Drunkの『マニフェスト』に対する返答を望む。
* Mummy-Dのトラック・メイカー的側面。・・・念のため。
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[B]Andres『ANDRES II』(MAHOGANI MUSIC)
《MAHOGANI MUSIC》からSlum VillageのDJがMoodymannと共同プロデュースでリリースしたアルバム。
こう書いてしまうと、実も蓋もないが、この文の固有名詞が分かる人には伝わるだろう。
ビートダウンとヒップホップの狭間のようなグルーヴ感で、ザックリとした大ネタ使いは同郷のJ Dilla『Donuts』の影響もあるのかもしれない。
野田努氏が指摘するように、デトロイトの人々はラジオから流れる地元の音楽に酔いしれるが、1曲1曲が短尺であることとモノトーンにならないアルバムの構成など、ラジオ的な要素は大きい。
ソウル/ジャズ/ファンク/アフロ/ディスコなどブラック・ミュージックのエッセンスがギュッと詰まった濃厚さでも胃もたれしない感じはそこに起因しているのかも。
AMAZON | ANDRES II
[C]Yogurt & Koyas『Chill Out』(Third Ear)
リリースまで紆余曲折あったアルバム(「サイゾー」のインタビューを参照)。
結果として、本家『CHILL OUT』から20年であり、三度アンビエントの夏が訪れそうな今春のリリースは良かったのではないかと思う。
過去記事 | I think therefore I Ambinet,and I will chill.
AMAZON | DJ ヨーグルト&コヤス『CHILL OUT』
[D]2562『Unbalance』(TECTONIC)
おそらく2010年はダブステップ躍進の年として記憶されるだろう。
1994年がテクノ躍進の、1997年がドラムンベース躍進の年であったように。
UKのベースカルチャーの系譜であるドラムンベース~ダブステップといった流れが、ベルリンのミニマル・ダブと合流して渦巻いている。
ミニマル・ダブはシカゴやデトロイトの影響を多分に含んでいるから、大西洋を渡って二つの流れが合わさったわけだ。
当然それらのそもそもの源流にはアフリカがある。
つまり、これぞブラック・アトランティックの最新型なのだ!
・・・・・・とまぁ、意味がありそうでないことを書いてしまうほどカッコいい!!
AMAZON |2562『Unbalance』
[F] Four Tet『There Is Love in You』(Domino)
U.S.インディー・ロック(Pitch Folkが取り上げるような)に目配せしつつ、ベルリンのミニマルを通り過ぎて、U.K.のポストロック・アーティストが作り上げた傑作。
更にシングルではFloating PointsやRoskaまでも起用するという抜け目のなさ!
リミックスはヴァイナル・オンリーだったから、リミックス・アルバムでるだろうなぁ。
まもなく3rdカットもリリースされるようで、間違いなく2010年度重要作品のひとつ。
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*12010/6/2 2010 年上半期ベスト
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