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弁天島になった娘(美浜町に伝わる話)=ひだかむかしばなし

2009年05月17日 | 勝負は時の運!果報は寝て待て

みかし むかし。
三尾に 1人の娘が住んでいた。娘は 海にもぐって貝やわかめを採り それを売ったり やぶれた網をつくろう手伝いをしながら暮らしていた。
娘は 生まれつき色が黒かった。自分の顔を映しては なんとか色が白くなりたいと思い続けていた。
「神様 どうか私の顔を白くしてください」
毎日毎日 娘は 熱心に神様にお祈りをしていた。

ある夜 娘の夢に 神様があらわれ 「お前の 一生懸命な祈りを 聞き入れてやろう。今日から21日間の間 水ごりをとれ。きっと願いを叶えてやろう」と告げられた。娘は それから 神様のお告げの通り 毎朝 冷たい水を頭からがぶって 身を清め 一心にお祈りをささげた。

二十一日目の朝、いつものように水ごりをとり 娘は 海に出た。すると 不思議なことに いく百 いく千ものウミネコが飛んできて 娘の上を飛び回った。ウミネコは娘めがけて、真っ白なふんをおとした。娘は 海に映った自分の顔をみて あっ!と驚いた。そこには 真っ白な美しい顔の 美しい娘が、じっと自分を見上げていた。
「神様は 私の願いを聞き入れてくださった。ありがとうございます」
娘は 海に映る自分の美しい姿を いつまでも いつまでもうっとりながめていた。
そして もっともっと白くなって 美しくなりたいものだと 強く願った。

娘は 仕事をするのも忘れて ウミネコのふんをがぶり続けた。
とうとう 娘は そのまま白い島になってしまった。
そして その島の周りの海では 魚や貝やえびが たくさん採れるようになった。
漁師たちは 島に弁天様をお祭りし 弁天島と呼んで 娘の霊をなぐさめたそうな。
今も この島には たくさんのウミネコがすんでいて ふんで岩が白くなっている。

おしまい

注…弁天島は、日ノ岬灯台へのぼる途中の海辺の小さな島。
   ウミネコがたくさん住み着いて ウミネコの糞で岩肌が白くなっている。
   島の一番高いところに弁天様がおまつりされている。


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