MilanoからLondon、東京に移り住みましたが、変わらず日常生活を書き記そうかと。。
ミラノ通信 - 我が為すことは、我のみぞ知る



シェヴァ、ミランに復帰決定。

あれだけチーム内で派閥を作り、対立構造を作って、奥さんがミラノにいたくないからと言う我侭でロンドンに行っておきながら、ベルルスコーニもガリアーニもここ50年の中で最も得点した選手(173得点)と言うことで復帰を歓迎している…。今年Chelsea監督に就任したスコラーリだけではなく、インテル新監督になったモウリーニョにもChelsea時代に冷遇されてしまう程のパフォーマンスだったシェヴァがミランに帰ってきて活躍できる余地はあるのだろうか。。。。単にChelseaのシステムに合っていなかっただけなのだろうか。しかし、ロナウドなんてPSVにいてもインテルにいてもバルサにいてもレアルにいても、そして怪我をするまでは我がMilanにいても活躍した。どこのチームに行っても活躍できるようなスーパースターなのか?そう言う迎え方をして良いんだろうか?Derby del Milanoでシェヴァが出てくると、元の上司のモウリーニョが対面にいるわけで、見透かされてしまうのがオチなのでは、と思ってしまう。。勿論、年間で38試合もあり、Derbyはたった2試合だけだけど…。

実際、ロナウジーニョ、カカ、パト、インザーギとFWてんこ盛り状態で、どこのポジションで出るのか、と言う戦術的なことも然ることながら、いつもSan Siroに行っているMilanistaの感情的な問題として、あんな出て行き方をしたジョカトーレを今更受け入れるようなことはあるんだろうか。。。イタリアーニは世間的に言えば賢くないかも知れない。実際そう言うことは多々ある。社会システムが先進国なんて言えない程最低レベルだ。しかし、情の厚さ、人間的な良さと言うのは実際に暮らしてみれば分かるが日本なんか比べようがないくらい素敵だ。トラムで大きな荷物を抱えて乗り込もうとすれば、誰しも助けてくれる素敵な町の住人が多い。ベビーカーを階段で持ち上げようとしたら、見ず知らずであろうと誰かが必ず助ける。そう言った人間の根底に流れる「一体感」であったり、とても広い意味での「家族観」的な観念が非常に強いイタリア人。それが当たり前のMilanistaにとって、120%裏切られた感のあるシェヴァのChelsea移籍。

2年間全く活躍しなかったシェヴァが戻ってきたいと言うのは、感情的に受け入れられるか?答えはNOだろうなぁ…。

サッカー、スポーツなんてそもそも感情的な部分が非常に大きい趣味であると言える。ブランドスイッチが置きにくいインダストリーであると言われているが、それはコアなところで選手を好きになり、その選手が所属するチームを好きになり、そしてスタジアムへ、と言う行動が大概何が起きても尽きることがないからだ。一度びMilanistaとなれば、仮にRomaへ転勤になろうと、Parisに転勤になろうと、New Yorkに転勤になろうとも、絶対にMilanistaなのだ。そこでRomanistaになるような馬鹿はいない。RomanistaがMilanoへ転勤してきたとしても、San Siroでは当然ジャッロロッソのユニを着ているものだ。それくらい感情的な結び付きが大きな要因となっているサッカー。感情論と言う意味では、移籍したいと言った後しばらくRomaでボールを蹴っていたカッサーノは、RomanistaにOlympicoでブーイングを受けていた。「俺たちのRomaを出て行くんだな、お前は?」、と言うことで、ちょっとミスするとブーイングを受ける。これは、一度Romaを出た選手が対戦相手としてRomaに戻ってきても同じことが起きる。実際、Cafuは我がMilanの一員としてOlympicoで試合をした時、ボールを持つたびに大ブーイングを受けていた。おいらは実際3年前にRoma Olympicoで試合を見ていて、その二人がそれぞれブーイングを受けている状態を最初は理解できなかったが、それがサッカーと言うものなのだ。その後カッサーノはレアルマドリーに移籍しても活躍できず、サンプドリアに移籍と転々とした。今でこそ調子を取り戻してAzzurriに戻ってきたが、やはり一度チームを裏切ろうとした、つまり解雇とかトレードとかで出されたりしない限り、サポーターからは最早支持はされない。

例外だったなぁ、と思ったのは、Robert Baggioくらいか。おいらはBaggioの引退試合となるMilan対ブレシアの試合を2005年5月にSan Siroで観戦していたが、全てのMilanistaがファンタジスタの引退を心から惜しみ、そして最大限の拍手とスタンディングオベーションで送った。勿論Baggioは移籍したいなんて言う我侭は言わなかったんだろうし、サポーター、メディアと上手く付き合ったんだと思う。

しかし、シェヴァは明らかに対応を間違った。我々Milanistaを裏切った。事実上のGMであるガリアーニがシェヴァをアンチェに託した以上、シェヴァは茨の道を歩くしかない。いや、茨の道を駆け抜けて、シュートを決めるしかないのだ。求められるのは、我々Milanistaの頭の中にある、あのドーンと豪快にロングを決め、またスーっと裏に飛び出してパチーンと決め、目をしっかりと見開いて頭でガツーンと決めた時のシェヴァでなければ、いや今となってはそれ以上のものを出さないと納得はしないだろう。普通の移籍ではないのだ。散々嫌な思いをさせて出て行った後の出戻りの移籍なのだ。当然至極で、普通のジョカトーレ以上のプレッシャーを受けるであろう。もう当然だ。何度でも言うが、あんな出て行き方をした後の出戻りなのだから。シュートを決めて当然。外せば大ブーイングとなる可能性は多分にあるだろう。Milan史上稀に見る最低な、マイナスからのスタートの移籍を選択したのはシェヴァなのだから。

今シーズンの終わり頃、間違いなくシェヴァのことを再び評価すると思う。その頃には、San Siroで、2005年シーズンの時のように

Oleー ole ole--、Sheva- Sheva!

と大合唱になっていて、シーズン最後の締めの挨拶で、戻ってきて、そして活躍できたのは聖地San Siroで僕を変わらず応援してくれたサポーターのおかげだよ、と涙ながらにシェヴァが挨拶する、そんな光景を18個目のScudettoと共に観たいものだ。

何だかんだ言っても先ずは受け入れよう。既に往年背負っていた7番はパトのものであり、君が何番を背負うのか知らないが、我がMilanの一員になったことは間違いない。中には活躍すればそれで済む問題ではない、と言うMilanistaもいるだろう。しかし、そいつらも含めて我々Milanistaを黙らせることが出来るのはシェヴァの活躍しかない。活躍さえしてくれれば、Milanistaは拍手喝采となるだろう。元々Italianiは心優しき人たちだし、Milanistaは更に紳士であると思うから。

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