MilanoからLondon、東京に移り住みましたが、変わらず日常生活を書き記そうかと。。
ミラノ通信 - 我が為すことは、我のみぞ知る



ずっと我が家にはマスターキートンがある。

1989年に第一巻が刊行されてから、早30年以上。連載当時は1988年前半くらいだったような描写がそこかしこにある。キートン先生が胡桃沢大学で講義をしている時に遅刻してくる柔道部の学生の言い訳が、ソウルオリンピックに向けての練習で、、となっている。

名古屋がオリンピック誘致に負けて、ソウルになったと言う衝撃的な事実を中学生の頃に体験した、その頃だ。

おいらは、1988年は恐らく中学2年生か3年生。高校受験に向けて、河合塾や地元の塾で野球部の練習のあと、勉強していた。野球も、勉強も、死ぬほどやって。名古屋の家の庭はかなり広くて、ネットを張ってあったので、そこで毎日トスバッティングをして飛距離を伸ばす練習をしていた。そのあと、真夜中まで勉強して、眠くなってきたら近くの自販機まで『けった』で行って、リアルゴールドを飲んでまた勉強、と言うことを毎日していたそんな時期だ。

思えば、人生で一番勉強をしていた時期か。

中学から高校にかけてくらいが、四当五落の気持ちで勉強をしていた。まぁ、とは言え、実際には、食べたり、お風呂に入ったりして一日にしていた勉強時間は16時間にもなっていなかったか…。浪人の時は17-18時間勉強していたからな。


ところで、マスターキートンは、1994年まで連載をしていたらしい。

最後の頃は、毎巻、出るたびに本屋で購入していた。1994年と言えば、二浪したあと大学に入学した年だ。だからきっと浪人時代にもキートンは読んでいたんだと思う。行き帰り、井の頭線の中でだけは息抜きしながら電車に乗っていたような記憶があるし。地下鉄サリン事件があるまでは、電車の網棚には読み終えた週刊誌や漫画が置かれ、それを当たり前のように流通させて拾い読みしていた記憶がある。間違いなく、キートンが連載されていたビッグコミックオリジナルも読んでいたことだろう。


そんなマスターキートンを、月末、プロジェクトが終わるタイミングで、結構忙しい筈なんだが、どうしても読み返したくなった。

 


浪人時代に、故奥平康弘教授の著書を読み、どうしてもICUに行きたいと思って改めて勉強したな。二浪の時は、一浪の時程勉強しなかったが、効率よく勉強したせいか、偏差値は軒並み全ての教科で上がったし。寧ろ、社会科学の本をめちゃくちゃ読んで教養を深めたせいか、小論文が異様に得意になり、河合塾の小論文模試で、全国1位になったしね。いや、書きたい、書くべきことが次々と頭の中で構成されて、あとはそれを1,200字にどう落とし込むか、と言うことが楽しくて仕方なかったんだよね。

その後、ICUで学んだ時も、楽しくて仕方なかった。
やっと自分が学びたいことが学べると思って、ひたすら本を読んでいたあの頃ね。

今思うと、あれが人生最良の時だった。

キートンが娘の百合子に語るそのChapterが心に残り続けている。自分の娘の名前を、ユーリー先生からもらったんだよ、なんて語れるのは、本当に幸せなことなんだろうな、と。最初に読んだその時は、いつか自分に子供が出来た時に、こんな風に語るのかな、なんて思ったな。実際、おいらはみらんちゃんにそう云う話しをいつかしたいと思っている。



今はどうなんだろう。。。

人間はどんな環境におかれても学ぶ喜びは得られるんだ。

そう言える状態にあるかな…。いつも心のどこかでキートンが僕に語りかける。。。そう云う時は勉強出来ていないと言う時だ。

下記のページはまだ話しの途中だが、なぜ学び続けるのでしょう?と言う問に、キートンはこう言った。

それが人間の使命だからです。

と。



おいらもそう思う。死ぬ迄勉強だ。別に本を読むことだけではなく、色んな学び方があるので、その方法は探れば良い。

キートンは、勿論、漫画の中の主人公であり、架空の人物だが、ずっと心の中にいる不思議な存在で、ある意味尊敬すらしている。架空の人物なのにね。このChapterで、彼は恩師に最後会えたシーンを読んで、結末が分かっていたのに、また号泣してしまった。その架空の人物が恩師に会えて良かったな、と思いつつ、自分にとってのシーンを思い出すからだ。僕は、自分の結婚式のスピーチをしてもらった、故奥平康弘教授には、Milano留学からの帰国後、その一度しかお会いできなかった。頑張って仕事をして、いつか、お会いして、また教授の話しを聞く機会を得られたら、と思っていたが、その後は会えぬまま、お亡くなりになったからだ。

天国の教授が、僕を覚えていてくれるのならば、彼の教え子として、その名に恥じぬよう、努力をしていかねばならないなと、この漫画を読んで改めて思った。

(漫画のスクショの無断転載、ご容赦を)



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 『晴れた過日... 『つぶの大き... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。