MilanoからLondon、東京に移り住みましたが、変わらず日常生活を書き記そうかと。。
ミラノ通信 - 我が為すことは、我のみぞ知る



前節水曜日に引き続き、San Siroで再びAC Milan vs Parmaの試合を観戦した。

一週間に2試合も観られるなんてかなり幸せである。おまけに彼女を2試合連れて行けたのはホントに良かった。ただ、ある人との連絡がうまく行かず、ユニも帽子もマフラーもクッションも何もなしの、観戦グッズなしに観た。正直、サポーターとしては、ある意味〝屈辱的な〟ことでもあり(この気持ち分かる人に分かれば良いです…)コストも掛かり、おまけに防寒もできず観戦体制としては最悪だった。裏切られた気持ちである、と言うことをここに書き記したい。海外生活をしている日本人に裏切られるとは思わなかった。1年半弱の海外生活になるが、日本人に裏切られたのは初めてである。

恨み辛みはほぼ全ての人に無関係なのでここまでとして、、、

先発は下記の通りである。

GK: ジーダ
DF: スタム、ネスタ、マルディーニ、カラーゼ
MF: アンブロジーニ、ルイコスタ、セードルフ、カカ
FW:シェフチェンコ、トマソン

31分 スタム    → カフー
72分 セードルフ  → ブロッキ
79分 シェフチェンコ→ インザーギ

どうやらこの最後のシェフチェンコの交代で、アンチェロッティーとシェフチェンコが口論したらしい。まぁ、シェフチェンコとしては、確実性をあげるためにトマソンにゴールを一つ提供してやって、次は自分、と思っているところにお疲れさん交代的にベンチに下げられたのだから怒るのも無理はない…なんて言ったってMilanのエースはシェヴァなのだから。。アンチェロッティーも気遣いする筈である。

この試合の結論から言うと、完全なら横綱相撲でMilanがParmaから3点を奪い完勝した。これ程見事なゲーム展開はないのでは、と言うくらいであった。ある意味、ピルロ、ガットゥーゾの2枚看板を欠き1.3軍くらいの先発であったのにも関わらず、若手主体に切り替えたような今のParmaでは太刀打ちできなかったと言える。得点者はカカ(34分)、トマソン(62分)、カフー(71分)であった。詳細は下記に記す。

前半

開始からわずか2分、意外にもParmaの攻撃がMilanゴールを脅かした。試合前の先発のコールで唯一Milanサイドから拍手の起きたジラルディーノが右サイドからすましたようにループのシュートを放った。DFの裏を突き戻りの遅いDFをカバーすべく、ジーダは前に出ようと考えた。しかし、それを見越したジラルディーノのシュートに賢明に拳を伸ばしてフィスティングをし、危うくコーナーにボールを弾き出した。

3分、Milanは左サイドからカラーゼのシュートで反撃を試みるもののParmaのGKフレイに弾かれた。こぼれたボールをカカが狙ったが、枠を外した。

34分、Milanが先制する。セードルフ、ルイコスタと左サイドでボールを繋ぎ、そのまま折り返したボールをカラーゼがシュート。しかし、これはフレイが弾く。その後、ParmaのDFの頭に当たったボールが右サイドゴールエリアギリギリに流れた。そこにフリーだったカカが走り込み、ゴールマウスに穴が開きそうなほどの渾身の力で蹴り込んだ。

Milan 1点先制

その後何度かParmaはカウンターを仕掛けるものの、左サイドから来れば綺麗に、マルディーニ、ネスタ、カフーとカバーをし、逆サイドから来れば、ネスタ、マルディーニ、カラーゼとカバーをする。特に、ネスタ、マルディーニの距離は絶妙で間をパスが抜くことはほぼ皆無か絶対に安全でジーダが処理できる時だけだった。また、二人ともが相手を背負うと言うことは終ぞ一度もなく、マークの受け渡しは抜群だった。これはParmaでなくとも、Milanのゴールを脅かすのは容易ではない。

後半

後半のParmaは隣で見ているサッカー初心者の彼女が観ていても、フォアチェックが効いていて、特にFWのカバーエリアが広いことが分かった。前半終了後のMTGでカルミニャーニは適切に指示したのであろう。前半明らかに潰れていたDF、MF、FWのラインは有機的且つ効果的に広がり、この日司令塔的な立場になっていて、Milanの攻撃の核となっていたルイコスタから、またルイコスタへのボールを潰しに掛かっていた。そうなるとParmaは疲弊だけが募るカウンターに頼らずとも前線でボールを奪うチャンスが起きる。

51分にはジラルディーノとブレシアーノのコンビから、最後はピサヌーへボールが渡る。このシュートは残念ながらわずかにポストの外へ外れた。前半など、ジラルディーノのループのみだったシュートが早くも放たれた。

61分か62分頃、ハーフラインからルイコスタが右前線に張っていたシェヴァにパスを綺麗に通す。シェヴァは中に切り込み2人残っていたDFを見透かしたように、左サイドに走りこむトマソンのスピードを完璧にイメージし、ちょうど蹴り易いコースへパスを渡す。意識の感じられるパスだった。このアシストで、トマソンが綺麗に左足でゴールマウスを切り裂いた。シェフチェンコとすれば、FWとして強引にゴールへ向かっても良いところであるが、チームのためにより確実性の高いトマソンへパスを廻し追加点へ結び付けた。この辺りのMilanの連携の良さ、誰がシェヴァのサポートをしてもきっちり仕事をするパートナーの意識などは素晴らしいと言えよう。

Milan 2対0

更に70分、Milanは決定的な追加点を上げる。ゴール中央のシェヴァから流れたボールを右サイドから果敢に攻め上がったカフーが豪快に蹴り抜いた。DFがカバーに入ろうとしたものの、GKのフレイとしては、あんな至近距離から蹴られては為す術なし。

Milan 3対0

Parmaとしてはよく守った方ではないだろうか。。80分前にシェヴァがピッポと交代したが、そのインザーギへと今度はボールを廻し、Milanは攻撃の手を緩めなかった。勿論、王者たるサッカーを完全なるまでに知り尽くすMilanは次節のCLのことも考え、緩めるところは緩める。しかしこの緩め方がやはり違う。例えば単に相手コーナーへ無闇矢鱈と蹴ってセーフティーを狙うのではなく、きっちり繋いでコーナーへとボールを持ち込む。だからボールの支配率は高いままなのである。ゆっくり攻める時は全員が同じ意識である。逆にParmaの攻撃を中盤で封じ、数的に優位が保てている時には、例えばカカがギアをいきなり上げると、ピッポ、トマソンはそれに合わせて走るスピードを上げる。この辺りやはり誰が入っても同じ攻撃が続けられるのは本当に美しい。

久々にサポーターにBella partitaを見せてくれた。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 『第504回 Cla... 『第506回 AC ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。