奥さんがお茶をしていると言うことも関係しているのであろうが、大徳寺聚光院と言う利休が寄進して作られた京都の禅刹へ。
事前に予約をせねばならなかったのだが、WEBでしっかりと空いている時間を確認して予約完了。 大徳寺聚光院は、1566年、戦国武将の三好義継が義父の長慶の菩提を弔うために創建され、今年で450年。元々徳島の大名だった三好義継が建てた。中に、襖絵として、国宝の狩野永徳・松栄筆の全46面の絵があったり、現代日本画家の千住博画伯の障壁画があったりするが、それらを観るためにわざわざ京都のだいぶ北部にある大徳寺へ足を運んだ。
大徳寺聚光院のこの襖絵など、普段は公開していませんからね。
そして次にいつ観られるか分からないとても基調な機会。普段は美術館に飾られているものがある意味里帰り。聚光院は、桃山時代の茶人、千利休の菩提寺であり、利休の流を汲む茶道三千家歴代の墓所もあることから、茶道を嗜む人々にとっては特別な場所とされているようです。最初に通された方丈庭園の説明の時にそう話していました。『方丈庭園』なんて言葉、普段の生活では使わない言葉ですから、きちんと聞けて良かったです。今回の特別公開では、利休百五十回忌の際に表千家7代如心斎が寄贈した茶室「閑隠席」や表千家9代了々斎が建てたと伝わる「枡床席」、永徳が下絵を描き利休が作庭したといわれる方丈庭園「百積庭」が観られると言うことで事前予約しました。
今回の入籍10周年の旅のクライマックスです。
買い物とか、何かの体験系とかではなく、大徳寺聚光院を観覧がクライマックスになるところ、うちの奥さんとホントに趣味が合っているんだと思うな。国宝の狩野永徳・松栄親子の障壁画も、茶室閑隠席と枡床席も、国宝だったり重要文化財だったりと、正直ビビリながら観ました。何せ一度数年前の台風で壊れたりして大変なことになっていたらしいので。方丈庭園とかも苔が捲れたりしたようです。
そして最後、観覧の順序で本当の意味での最後、千住博さんのとても色鮮やかなブルーと白の滝の障壁画は圧巻だった。

パンフレットの色合いは正直全く表現されていなかったんだよね。。。正直、酷すぎるレベルのパンフレットでした。。。あれで校了して印刷に廻す意味が全く分からないくらいの出来栄えでした。あれでは千住博氏が気の毒。でも、実際、現場に行ってみると、本当に息が止まる程圧倒された。まさか、パンフレットが酷かったのは現場に行って感動を超えて圧倒させるためか?もしそうだとしたら、禅の精神は奥が深いね。
この滝、鳥の子紙の上に、群青を乗せ、胡粉を溶いた白色を吹き付けて行ったりして、構想から16年も掛けて完成させたのだとのこと。何度も却下され、その度に書き直し、、、と言うことでそれでも最終的にこれが完成されたと言うのは本当に素晴らしい話。これは宇宙から観た地球のイメージなのだとか。鳥の子紙、ホントに贅沢に準備したんやねぇ。どうでもよろしい話だが、おいらは偉く?なって稼ぐようになったら、鳥の子紙の紙衣(かみこ)の着物を作りたいと思っている。間違いなくお金掛かるわぁw。。。
そしてこの写真では見づらいけども、『鑊湯無冷処』と書かれた書がありました。
「かくとうれいしょなし」と読みます。熱いお湯に冷たいところなどない、と言う意味。ぐつぐつと煮え滾っているお釜の中に何処か一部分は冷たいところはないかしら?なんてぐだぐだ考えたところで、そんなところある訳ない。故、換言すれば、何事も「覚悟して挑め」と言うこと。禅の世界の言葉は重みが深い。 ある意味これが一番刺さったのよね。他の水墨画とかもとても綺麗だったし、静謐な中に躍動感があってとても24歳当時の狩野永徳が描いたと想像すら出来ないレベルだったんだけど、最終的にはその書が一番だった。と言うか、この千住博氏の滝とセットだったから刺さったんだと思う。
今回の京都旅行は本当に色々と楽しかった。
奥さんと入籍してから10周年と言うことで2人で考えて、何処を廻ろうかと話しながら決めていきましたが、こう言う生活が本当に楽しい。うちの奥さんと結婚して心底良かったなぁ、と改めて思った。好きレベルではなく、愛おしくて仕方ないのよね。今回そんなことを考えたり、感じたりしながら京都を周り、最後が大徳寺聚光院の特別拝観と言うことで締められて良かったよ。