今年は、初戦、二戦と地上波の放送がなかったように、マーケティング的には恐らく一般の方には魅力的ではないと判断された日本シリーズだったんだろう。
いわゆる数字を取れる球団ではないことは明白だ。ドラゴンズ対マリーンズ…。
ローカル色の強いチームと全国区と言うチームがざっくり言うとあると思うが、どらかと言えば両球団共にローカル系だろうな。特にマリーンズは完全にローカル系。そもそも何度も移転をし、消滅の危機もあったような球団だったから、千葉周辺に対してかなり積極的にアプローチを掛けていた。いわゆる“千葉都民”と呼ばれる千葉在住で都内へ通勤する人々を取り囲んできた。マリーンズは、マリスタで様々なファンサービスをしてきている。スタジアムでの「滞留時間」を長くして、事業サイドとしてきっちり収益を伸ばしていく方策を取っていることも大きい。チケット、グッズ、飲食物を買った時に貯まるポイントなどで楽しめるポイント制度なども少なからずスタジアムへ来場を促す要因になっていることは間違いない。そんな中、ファンナンバーの26番を欠番にして「Team 26」を公言し、スタジアムで縦ノリしながら応援すると言うスタイルも確立した。しかしながらこれはスタジアムに来たお客様、違う言い方をすれば、スタジアムに来られるお客様にのみ訴求するサービスであったり体験(Experience)だったりする訳だ。テレビを見ていても一度スタンドで飛んだことのある人にしか体験は共有出来ない。これがローカルの限界だと思う。
ドラゴンズは言わずと知れた名古屋のチーム。中京地区と言う言い方を地元民はすることが多いが、名古屋を中心とした愛知県、岐阜、三重、静岡の西部などで頻繁に試合を行い、ドラゴンズファンを増やしてきている。この地域では、明らかに中日新聞の購読率が高い。新聞拡販のための広告塔であるが、メディアが持つ意味としては逆にそこが限界で全国区にする意味は実は殆どない。何故なら読売新聞などと違って別に発行部数1000万部とか目指す必要なく、中京地区から敢えて言えば北陸地方に掛けての購読部数を伸ばせばそれでOKだからだ。まぁ東京にも中日新聞はあるけど、どう考えても都内に引越してきても未だに名古屋情報(特に東京中日スポーツ読みたい!と言う要望)を取りたいと言う人くらいだろうから。
チームとしては、ドラゴンズはここ最近落合が就任してから偉く強い。8年目となる落合ドラゴンズ。完全に玄人好みの野球だろう。バカスカとホームラン打ちまくるだけが野球の醍醐味と思っている人と言うか、そう言う華やかな野球の方が興奮ポイントが高いのは確実だから。まぁ落合ドラゴンズの野球は素人目には納得行かないと言うか、ちゃんともっと説明してくれよー、と言うのが多い。もう少し言えば並の解説者では多分解説出来ないような野球をやるから、見ている一般人にはもっと分からないのだと思う。それが面白いんだけどねぇ。
今年の日本シリーズは正直拮抗していたと思う。投手力と言われていたドラゴンズの調整が上手く行かなかったことよりも、マリーンズの打線が上回ったと言うことだ。しかし大差が付いた試合だとしても意外と内容的には紙一重的なことが多かったと思う。面白い試合だったと思うんだけどねぇ。こう言う試合をテレビで観戦させ、きっちり落合野球、西村野球を解説出来る人をキャストしないと。
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