今年の夏山は光岳から池口岳縦走を目標にして、お盆休みに行こうとしたのですが、折からの台風で出発を1日延期し、台風一過の好天を狙ったものの、大外れ、断念した顛末記です。
飯田線・平岡駅~池口岳登山口
2010. 8.13~14
曇り・雨
今回の計画は、池口岳・光岳縦走が目的で、いつもの如くピストンしないで行こうと思ったので、本来は光岳から池口岳にコースをとった方が楽だということは事前情報でわかっていたのですが、下山後の足がないので、止むなく池口岳から光岳方向へルートをとりました。
しかし、これは失敗でした。結果から言えば、池口岳登山口まで行って、天候判断で中止しました。
12日に出発予定でしたが、台風のためJR飯田線が運休で、予約していた平岡駅の龍泉閣から連絡があり、1日延期し、13日にJRに乗り込みました。飯田線は単線で時間がかかるので、始めから青春18きっぷでのんびり行きました。学生時代に戻った気分です。
龍泉閣は、平岡駅の改札を出るとすぐフロントになっていて、部屋はビジネスホテルのようで快適そのものでした。ビジネスパックというものがあって、1泊2食で7,000円と山小屋より安くて風呂まであります。風呂があるのは当たり前ですが、山小屋では原則、風呂はありませんから、その感覚からすると、安くて快適、ということになります。
14日、7:30乗合タクシーで勇んで出発したが、どんよりとした空で、降水確率70%の予報。出発前の天気予報では晴れ(13・14・15・16日まで)のはずでした。いつの間に変わったのか理解できぬまま、出発。(数年前、南アルプスの小渋川に行った時も天気予報では「この先、当分雨の降る気配は見られません」という天気予報で現地に行くと、その夜はバケツをひっくり返したような大雨だったことがありました)改めて山の天気が難しいと思いました。
乗合タクシーで和田まで行き、旧村役場の南信濃地域交流センターに登山届を提出しようと立ち寄ったのですが、カギが掛かって誰もいない。登山届はHPで「阿南警察署または飯田市南信濃自治振興センター(旧村役場)に提出」とありましたので立ち寄ったのですが、(8:14)仕方なく歩き始め、雨が降り出す中、大島のバス停まで(8:45)行きました。
大島のバス亭が池口岳入山口になっています。バス停にトイレ(水洗)があり、お借りして行きました。乗合タクシーの運転手さんに「ヒルが多い」と聞いて、やっぱりとこのバス停で昆虫忌避剤をつけ、足にはスパッツ、長袖のシャツを着て歩きだしました。ただでさえ蒸し暑いのに、この格好は暑さを増したような気がします。汗がぽたぽたと滴り落ちます。
しかし、いつものように道端に無造作に座ったり、荷物を投げ出したりできず、道の真ん中を歩くようにしました。お陰で被害に遭わずに済みました。
歩きだしてすぐに地元の方が声を掛けてくださり、地図をいただきました。登山届のことを話すと、登山口に届を入れるポストがあるとのことでした。「ポストに地図を入れるように」と余分に預かり、入れておきました。
この先、蒸し暑さでバテて、11:34登山口到着まで5回休憩しやっとの思いで辿りついたという感じです。
登山ポストのある遠山家(10:38)までは舗装していますが、そこから地道になり、1.5kmという標識がありましたが、タイムからすると1時間かかっています。
登山口には車が4台駐車していました。トイレや、休憩用ベンチがあり、そこでパンやトマトなどを食べ、11:55登りだし、数分後に1人の下山者(この人に送っていただくことになる)に会う。12:18リタイア。体力を使い果たしていることを認めざるを得ず、このまま進んでもテンバに着くころには暗くなると思い、避難小屋まで引き返す。ザツーと雨が降り出し、下山して良かったと安堵。
避難小屋は畳敷きで、埃などもあるが、掃除すれば快適に1夜を過ごせるので、ザックを置き、水を分けて貰いに遠山家まで行こうと駐車場まで行くと先ほどの登山者が車の中におられたので、途中まで乗せていただけないかと声をかけると、快く承諾して下さいました。
お互いの状況を話して、上の状況が「ガスと雨で5m先も見えない」と聞かされ、やはり下山して良かったと再認識。さらに「天気予報が明日もこの状況が続く」と報じていることを聞き、下山を決断。最寄り駅まで乗せていただけることになり、無事下山。
車中でさらに上の詳しい状況を聞くうちに、時折豪雨になり、前も見えない状況から、中止の判断は正しかった、と胸をなでおろしていました。
以上が顛末ですが、帰宅してから真っ青な晴天が続くとやはり悔しさがこみ上げてきます。再挑戦のチャンスはあるのでしょうか。
その後、再挑戦は2013年の8月に無事に行きましたが、やはり光岳~池口岳(2013年) へと行く方が順当でしょう。
今回の問題点として、南アルプス深南部に入るのには公共交通機関だけでは、突発的なことには対処できない、ということです。すべて予定通りに行けばいいのですが、予定外のことがあればどうしようもない。今回はたまたま良い人にめぐり会えたから良かったものの、誰もいなくて、天候急変で下山しなくてはならない状況になると、鉄道駅まで20~30km歩かなくてはいけない。(こちらに下山される方はたいていタクシーを呼んでいるようです。)
最後に、車に乗せて下さった方にこの場を借りて、改めてお礼申し上げます。