やまなみ

長野県の自死遺族による自助グループ

年に6回奇数月の土曜日に分かち合い

偶数月に「やまなみ通信」を発行

『ダンナがうつで死んじゃった』(きむら・ひろみ著)

2010年08月31日 | おしらせ
こんなおひゃらけのようなタイトルは、普通はつけないだろうという内容である。



一家の大黒柱であった夫が、仕事の環境が変わったことがきっかけで、うつを発症し

2回の入退院をくり返した後、

自宅療養中に、妻との口論をしたその日に、

マンションから飛び降りてしまった。

最後に、精神科医の論評がついている。



重すぎるテーマなのに、手触りが軽い仕上がりの本になっているのは、

anika という出版社の方針なのでしょう。


ページを開くだけでも気が重い、という感じがない。

だからこそ、最後まで読み通せた。



奥さんは、うつ病患者の家族としての行き詰まり、悩みを大変正直に書いている。

腰痛を抱えながらの、うつ病患者との生活に見通しが立たず、

ある時は、「死んでくれ」とさえ考えたという。



しかしそれは、「死ぬだろう」というのとは違う。

夫の自死は、まったく考えもしないことだった。



奥さんの本当の悲しみは、190ページ以内に盛り切れなかったのではないか。


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