『山城屋』着物の仕立屋主人のブログ

葛飾柴又で“着物の仕立屋”をやってます
着物をお客様に喜んでもらえるように親切丁寧な仕事を心がけて頑張っていきます

百貨店は模範となるモデルケースです

2019-08-08 19:00:05 | 和裁日記

現在、私の取引先は

呉服の販売で全てにおいて模範でモデルケースだと私は思っている百貨店が主要の取引先です

お買い求めになるお客様にも正直で嘘のない厳選された品物、

お仕立でも作り手の我々職人にも納得のいく値段をくださる百貨店

 

他にも自分の作品を大事に考えている作家の先生の仕事や

着付けの学校としては、群を抜いて物づくりに対して理解がありお客様のことや競合他社との事もあるのでしょう

ギリギリのラインまで相談と交渉の末、今の仕立代でやっている取引先など

色々ありますがきちんといただいています。いつもありがとうございます感謝です

 

最近の出来事でどうしても気になる出来事があり、

トム・クルーズの映画『エージェント』の1シーンではないけど💦

ブログを書かずにはいられないことがあったので…

昔は薄利多売のNCの呉服屋

ピンハネして売り歩いている呉服屋やトータル加工の会社などの仕事もしました💧

今よりは景気も良く商品数があったし数を保証してくれていたから安くもやりました

それでも景気の悪化で数がドンドン少なくなり

弊社でもリストラやギリギリまで無駄を省きましたが💦

少数精鋭でなんとか乗り切らないとならないので

きちんとしたお仕立代をくださる取引先を残し、

値段が安かった取引先には最低限、弊社がやっていける仕立代(加工料)を提示させていただきました

それで仕事が来なくなるのは仕方がないと会社内でも相談し決断しました

 

それでも時折ビックリするような値段の話が来る

安すすぎて( ̄▽ ̄;)

くちポカーンになることがある!?

赤字が出るような仕事は断りますけど…次にいくらならやっていただけますか?

納期に対応出来てきれいな仕事をする職人(仕立屋)がいないのです

今まで叩かれすぎちゃったからね💦もう無理です💧

何でもいい縫手(あえて職人とは言いません)なら腐るほどいます

仲間が少なくなりシワ寄せで大変な時もありますよ(-_-;)

 

弊社でもスリム化して思うことは加工代で人件費は出せませんよ!

仕立代は、技術代・手間代・付属代・光熱費・運搬料などで構成しているので

弊社でも営業や現場責任者など雇っていましたが、自分の人件費でいっぱいいっぱい( ̄▽ ̄;)

今では家族と職人だけです

私の亡くなった父も仕立屋が安定的に仕事を確保したい思いで

あるNCの加工会社の立ち上げのメンバーで役員していました( ̄▽ ̄;)

先代の父が亡くなってからすぐに、父の思い入れがありましたが、

自分の生活の守るために、その加工会社との取引をやめました

仕事を広げれば人数が増えて人件費が膨らみ仕事を出す加工先には低賃金になり

お客様から頂いたお仕立代のレベルに到達できず→信用を落とし→商品が売れなくなる→値段を下げ→加工先を叩き…

負のスパイラルになってゆき、最後は閉店

お客様から10いただいて、本体が5、加工会社が3、仕立屋には2…職人死んじゃいますよ

やっぱり10いただいたら職人に7~8はくれないとレベルの低下につながりお客様に嘘をついてると思う

そしてお客様はちゃんと見ていると思う

着物メーカー・作家が良いものを作り

販売店が選別して良い物を売り

技術屋も専門家が各部門で良い仕事をして納める

数が減っているときに余計な経費をかけている場合じゃないと私は思う💡

我々仕立屋も高齢化で若い人も少なく良い仕事をする技術者も残りわずか…

日本人はお金がないんじゃない、買うならちゃんとした物が欲しい

ちゃんとした物に行きつけないから何年か前の、はれのひ!?の成人式前に逃げちゃうような奴が出る

私も閉店してきたお店を見て感じるのは

信義に熱い日本人だから閉店の時に

最後にお客様と販売員とお店のつながりで商品を買っていただけるのだと思う

偉そうに言ってしまったが…バカ正直な男なので許してください

これからも自分は正直に誠実に誠心誠意、心の込めた仕事で頑張っていきますのでよろしくお願いします

 



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