つれづれ思うこと

日頃思うことを綴ります

ルトガー・ブレグマンと斎藤幸平の対談記事

2022-07-07 09:53:04 | 民主主義・人権・情報
文芸春秋5月特別号にルトガー・ブレグマンと斎藤幸平の対談記事が載っている。 斎藤幸平は『人新世の「資本論」』の著者で日本で50万部にせまる売上を上げている。内容は、「気候変動の対策は待ったなしであり、資本主義ではこの対策は不可。マルクスも晩年には、自然環境とマッチした社会主義を理想としていたとのメモを残している」とし、「脱成長コミュニズム」が理想だとまとめている。
それぞれの主張を忌憚なく論じていることが気持ちよい。ブレグマンは「脱成長」に疑問を呈し、斎藤は「気候変動の危機」の対応を強調していた。今後もこうした記事が載ること期待したい。

「Humankind 希望の歴史」を読んで

2022-06-30 21:38:45 | 民主主義・人権・情報
 斎藤幸平さんのTwitterを見ていたらこの本の紹介と、著者との対談のことが出ていた。オランダで25万部というと日本でいえば約200万部になるのではないか?またユヴァル・ノア・ハラリ氏も推薦していると言う。これは読みたいと思った。しかも1988年生まれの34才、ますます興味がそそられ、図書館から借りて読んだ。

 著者ルトガー・ブレグマンの主張するところは一言でいえば、「人は善である」であり、それをいままで心理学や社会学で行われた数々の実験で定説となっていた嘘をあばき、人は基本的に善良であり、困った人があれば助けようとするし、集団と集団との出会いであっても、争いはせず、仲良くなろうとするものであることを綿密な調査の末、あきらかにしている。
 このあたりの経過が謎解きのようで、小気味よく書かれている。一方で我が身を振り返って見ると、大分、性悪説を刷り込まれているなと感じさせられる。