「ＳＤＧｓ」 と 「人類益」

　フランス革命 （1789年7月14日 – 1795年8月22日） で有名な「自由・平等・友愛（博愛）」は、その限界を「法」に求めていて、「友愛」にしても「共同体への奉仕（義務）」とされています。当然ながら、法律で女性参政権を認めない限り、女性には選挙権を与えない事も「平等」と言います。実際に、フランスで「男女平等」が法的に成立したのは1945年です。と、言うより、女性に「男性並みの権利が与えられた」と言うべきかもしれません。

　フランス革命時（1789年）に発布された人権宣言でも、法的に「自由・平等には、白人男性（白人と有色人種の混血も対象外）、財産（納税者である事）」の制限があり、1871年の「パリ・コミューン（プロレタリアート独裁：2か月間）」では世界初の「女性参政権」が成立しましたが、その後は「男性納税者による（普通）選挙」です。

　フランスで男女同権による普通選挙が「法律」で認められたのは1945年です。実は、同年には、日本でも「婦人参政権」は認められ1946年には女性議員も当選しています。普遍的な「自由・平等・博愛」は白人の専売特許でもなく、寧ろ国家が率先して声をあげなければ恩恵が行き渡らない程、白人世界では脆弱な倫理観だったと言えます。

　一方日本では、「自由・平等・博愛」は、単なる「道徳の範疇」に過ぎないので標語化しなかった事から、「白人崇拝者」から貶められる事になりました。

　「ビル＆メリンダ・ゲイツ財団（B&MGF）」は2000年に創設以来、「全ての生命の価値は等しい（ALL LIVES HAVE EQUAL VALUE）」を掲げて「全ての人々が健康で豊かな生活を送るための支援」を実施しているそうです。ちなみに、「William Henry "Bill" Gates III」のＩＱは１６０と言われていて、頭脳明晰と勘違いする人もいますが、ＩＱは集団の属性を分析する統計上の数値なので、個人・個別のＩＱには意味は有りません。

　今では常識となったパソコンの「ＧＵＩ」の開発では、Windows3.0（1990年）は、Apple社や坂村健教授の開発した「ＢＴＲＯＮ」から大きく後れましたが、日米貿易摩擦により「ＴＯＹＯＴＡを救う」ために日本のパソコンが犠牲になったお陰で、Windowsは生き延びることが出来ました。

　それは兎も角、これらは「八紘一宇」と同じ事を言っているのですが、やはり「白人崇拝者」が何やら企てているようです。

　「B&MGF」を公明党は一押しのようですが、何故か「中共による周辺民族に対するジェノサイド」には寛容です。若しかすると、人口削減が「ＳＤＧｓ」に適うと思っているのかも知れませんが、少なくとも現存の「人類益」には反します。

　これは、公明党が「遥かに遠い未来の人類益」を考えていて、私の様に「論理的な近未来の人類益」しか予想できない「理系」が口を挟む問題では無いのかも知れませんが、現在起きているジェノサイドは、現在の人類の責任である事は間違いないと思います。ナチスによるジェノサイドの轍を踏むことは、少なくとも「現在の人類益」に反します。

　持続可能な開発目標（ＳＤＧｓ）の為に、現在を犠牲にする事に正当性が有るかどうかは、現在の智慧では判らないかも知れませんが、「財産を保有」していると云う理由で未来を決定する事は、傲慢と言えます。

　未だに「フランス革命」の副産物である、「財産を持つ者による自由・平等・博愛」の革命精神の呪縛が解けていないようです。