車輪を３００ｇ軽くすると車体を３Kg軽くしたのと同じ効果が得られるという夢のようなお話。
さらにエアロ効果があり、トップスピードも速くなると言う２つの同じようなホイールについてのお話です。
ＢＯＲＡ ＵＬＴＲＡ ＴＷＯ
と
ＲＡＣＩＮＧ ＳＰＥＥＤ
どちらも良く走るホイールです。
自転車ホイールの中では世界最高のハブだと思います。
どちらもよく回ります。
どちらも首が回らなくなります。
どちらも摺動部に使用される新しい？ベアリングシステム、CULTテクノロジーを採用しています。ベアリングを腐蝕から守るためのグリスを必要としない、高い強度と腐蝕耐性をもった高品質のセラミックボールベアリングが最小の回転抵抗を約束するらしい。このシステムではグリスの代わりに潤滑油を使う。
じゃ、一緒の性能なの？
一緒なわけないじゃん。
リムは一緒です。穴の開け方以外は。
スポークは？
エアロ形状は一緒です。ただ、バルブの反対側のスポークがＢＯＲＡの場合は違います。
ＢＯＲＡはタイヤを取り付けた状態でホイールバランスが一番良くなるようにバルブ穴と反対側のスポークが太く重くなっています。(ここはＢＯＲＡの勝ち）
これはありがたい。でも、できればエアロスポークにして欲しかったなぁ～。
ＲＡＣＩＮＧ ＳＰＥＥＤはホイールバランスのことまで気を遣っていない。全部エアロスポーク。
ハブの製作コストは圧倒的にＢＯＲＡのほうが高い！
スポークがまとまって引っ張りテンションが掛かるフランジがカーボンで出来ているのはＢＯＲＡの方。
ここをこの構造でカーボンで創れるのは高いカーボン技術を持ったCampagnoloだけ。
これが良いとか悪いとかではなくCampagnoloが自分のブランドの名前を冠するホイールに妥協しないためだ。
FULCRUMブランドはCampagnoloがシマノパーツを使う自転車のホイールマーケット獲得のために作ったブランドだ。
最高級品についてはどちらに力を入れるかなど考えればわかること。
で、Campagnoloの心意気を買って僕はＢＯＲＡを使う。
では、ＲＡＣＩＮＧ ＳＰＥＥＤの性能が劣るのか？と言うとそうでもない。
ホールバランスはタイヤを張った状態で釣りの鉛板を貼り付けるなどきちんと取る方法はあるし、フランジがカーボンである優位性は実はあまり無い。
前輪の性能はストック状態ではホイールバランスの差のみだ。
後輪の差は意外にある。
CampagnoloのG3スポークシステムとFULCRUMの2：1ツー・トゥー・ワン-スポーク・レシオの考え方は一緒だ。
ギア側が反対側より２倍の本数を使うことによりスポークに掛かるストレスを左右でほぼ均一にしている。
この考え方は素晴らしい。
パワー伝達効率も上がるし軽量化も同時になされる。しかもスポーク切れなどのトラブルも減る。
で、どっちが良いの？
人間が精密なエンジンだったとしたらスプリンターの人はＲＡＣＩＮＧ ＳＰＥＥＤの方が良い。
後輪のフランジがＢＯＲＡより大きくスポークが短いのでたわみが少ない＝加速が良い？
でも僕はＢＯＲＡの方が好きだ。ＢＯＲＡの方が軟らかく感じる。
軟らかく感じる分、ＲＡＣＩＮＧ ＳＰＥＥＤと違ってペダルを真下まで長く踏み込める。
踏むこめるので歪を基にパワーを計測するパワーメーターの場合、歪が大きくなるからＷ数も大きくなる＝速く走れる。
人間てエンジンは気難しいがそんな事も考えてCampagnoloはホイールを創っている様な気がする。
でＢＯＲＡをシマノ用で仕入れてしまったのでＨＧタイプのみ￥３３０，０００で処分します。
さらに馬鹿な僕はＲＡＣＩＮＧ ＳＰＥＥＤをカンパ用で仕入れてしまったので３１０，０００で処分します。
ＦＩＴＴＥの訳ありとはそんなもの。
どちらも正規輸入品です。
どうぞ馬鹿を救ってやって下さい。
