足腰の具合が悪く、外出がままならない母の精一杯の贅沢がセブンイレブンで調達できるんだから、家事請負人にとっては楽ちんを絵に描いたようだ。それでも、気遣いが地面に叩きつけられたような苛立ちを感じた。そこで、野菜と魚中心の薄味の料理を毎回食べているんじゃ、母の我儘な要求も仕方ないかと考えることにした。それでも、夕暮れの買物にはあえて出なかった。
湯通しした三陸産のわかめを刻み、胡瓜や白髪ねぎと和えて、ャ盗を少々ふりかけた。魚よりは肉が好きだった母のために、昼間、買っておいたシャブシャブ用牛肉をサラリと焼いて、ルッコラの上に盛った。味付けは塩ャ盗。酸っぱいものが食べたい母の欲求に応えるためだ。さらに、茄子は缶詰のトマトで煮込んだ。ご飯は昼食の残りのパエリア他。長いお昼寝から起きてきた母はもう我儘をいわず、ワカメ垂フほかは、どの食品も控えめに摂取。私は小さなグラスにお酒を注ぎ、トロンとした気分で、酒肴をつまんだ。でも、やっぱ、外へ飲みに行きたいなあ~。
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