●簡易課税制度とは?
課税売上が5,000万円以下の中小企業者の事務負担の軽減を目的として、届出を行った事業者に対し、簡易化された仕入れ控除税額の計算を認める制度です。
(納付税額)=(課税売上等に係る消費税額)-(課税仕入等に係る消費税額)
わかり易く言い換えると・・・
(納付税額)=(預かった消費税)-(支払った消費税)
要は自分の会社が納付する消費税額は預かった消費税から支払った消費税を差し引いた額となる。
支払った消費税(仕入控除税額)は、課税対象となる仕入れ金額だけでなく、備品や設備の購入費用など消費税のかかる取引すべてを含むため、合算する作業負担は中小企業にとっては大きい。
そこで事務的負担を軽減するために、届出を行った事業者は、預かった税額(課税売上等に係る消費税額)の一定割合を課税仕入等に係る消費税額として計算することができる制度である。
●控除できる一定割合について
第一種事業(卸売業):90%
第二種事業(小売業):80%
第三種事業(製造業等):70%
第四種事業(その他の事業):60%
第五種事業(サービス業等):50%
第六種事業(不動産業):40%
この割合はみなし仕入率と呼ばれ業種ごとに決められている。
複数の業種を行っている場合にはその業種ごとに割合を適用して計算する。特例としての計算の仕方もありますがこの記事では割愛させて頂きます。
●簡易課税制度を利用するメリット
①事務負担の軽減ができる。
中小企業の中には社員3人以下といったようなケースもある、社長さんが経理も担当している場合など事務負担軽減は大きなメリットといえる。
②税負担の軽減ができる。
届け出を出すことで一定割合を用いて計算ができるため、仕入率より課税仕入の割合が低ければ簡易課税制度による控除額の方が大きくなるため節税することができます。
●簡易課税制度を利用するデメリット
①事務負担と税負担が返って増えてしまう場合がある
届出を出すと2年間はもとに戻すことはできない、突発的に課税仕入が発生してしまい返って税負担が増えてしまったという場合がある。
また複数の業種を行っている企業であれば、売上の変動などにより計算が複雑となるケースも想定される。
「横山専務のコメント」
当社も役員と社員併せて合計4名、経理担当できるのが2名という形なので年度ごとに税理士さんと打合せを行って簡易課税制度を利用するか検討しています。
大規模修繕計画など大きな出費が予想されるときには本則課税制度を利用した方が良いため、年度ごとに売り上げ予測や修繕計画を練っておく必要があります。