◆裁判の概要※自分の過去記事から転載。
90歳越えた資産家の方が約14億程度の不動産を購入後、数年が経って他界。路線価での評価が3.3億円、借入金も3.3億円なので相続税がゼロ円ということで申告をしたが・・・そこに国税庁がまったをかけた形での裁判。
相続税に計算については、路線価で計算するという考え方は我々不動産業界でも一般的考え方といって良いだけにこの裁判に関しては注目が集まった裁判でした。
私が不動産コンサルティングの資格更新手続きの際の講習内容でも取り上げられました。
◆最高裁判決結果
2022年4月19日、国税当局の処分を適法として、相続人側の上告を棄却。また国税当局の処分を妥当とした一審、二審の判決を是認したことで相続人側敗訴が確定した。
◆関連リンク・記事等※詳細を知りたい方は下記リンクよりご確認下さい。
〇相続マンション、路線価認めず課税「適法」最高裁判決/日本経済新聞:2022年4月19日
〇相続人なぜ敗訴?最高裁「伝家の宝刀」にお墨付き/日本経済新聞:2022年4月20日
<横山専務のコメント>
不動産関係の方も税理士さんもびっくりな判決だったと思います。路線価を使って相続税を計算してほしい・・・というのは国税庁が通達で出しているものです。
ですが今回はその通達を出している国税庁自身が通達をひっくり返したわけですから~驚きですよね。「国税庁が伝家の宝刀を抜いた~!」と新聞紙面を賑わせたわけですね~。
ただ今回の背景をよく調べてみると・・・路線価が1年に1度しか発表されないために実勢価格との差があり、その差を利用した「節税」と言えます。また所有者の年齢を考えても明らかに相続税を節税するために不動産を購入されたことが明らかであり、合法ではあるものの・・・「悪質」という言い方ができるかもしれません。
結果、過度な節税を狙い過ぎたために税務署に目をつけられた・・・ということですね。
問題はこの判決が出たことにより判例が残ってしまったわけですから、この判例を基に国税庁や税務署は税額計算方法の見直しを納税者に迫ることができるようになってしまいました・・・<本当に迷惑な話です(;'∀')>
不動産コンサルティングマスター講習の講師の先生が、きつく何度も説明していたのは不動産価格を年ごとにしっかりと計算しなおして所有者、納税者自身がしっかりと把握しておきましょう・・・そして不動産業者としてそのアドバイスを一般の方にするべきである・・・そして過度な節税は控えましょう・・・とのことでした。
非常に勉強になった裁判だと感じました。