読み捨てー捨てません。返します

文字中毒の私です。読み飛ばす本の画像に、簡単な感想を載せています。

『春告げ鳥ー女占い十二ヶ月』

2021-06-19 15:40:43 | 日記
杉本章子『春告げ鳥ー女占い十二ヶ月』
江戸の女それぞれの人生に、占い本をくっつけた感じでした。
しかし、ふと現在もセーフティネットなく理不尽な目に会う女子供が多いことに気付き、愕然たる思いです。
店が貰い火て焼け主が死ぬと、娘は家族を養うため、最後は吉原に迄堕ちて行ってしまう❗
親の言うまま嫁がざるを得ないって、何処かのイスラムの国と同じ❓
娘が勝手に身分低い男と駆け落ちすると、父親はお役が下がるらしい。
何となく日本は自由で、公正な国のように錯覚しがちだけれど、実は新聞やネットで騒がれるひどい現実があちこちに一杯ある。
格差は広がるばかりで、若者が希望を失っていくのは大問題。先ずは皆が認識して、出来ることを今日から一歩踏み出すことが必要ではないかしら。
私は首相でも大富豪でもないけれど、出来ることはあるはず。

『だから荒野』

2021-06-19 15:36:24 | 日記
『だから荒野』は、読み始めて直ぐに同じ著者〝『OUT』と同じだ❗〟と、引き込まれました。
どちらも主婦が家族に踏み付けにされて、プッツンする話。
『OUT』は、深夜の弁当工場で働く底辺の女邦子達が、同僚の夫殺しに加担して最後は追い込まれて行く話。
『だから荒野』は、オートロックマンションに住む専業主婦朋美の話。高校生ゲーム中毒息子の「うぜぇ、早よ死ねや」や家計管理夫の「そんなじゃ、社会で通用しないぞ。」に、傷つき家出する。こちらは、再生の予感のラスト。
この違いは、経済のレベルに比例しているのかなぁ。朋美は、弁当工場で働く女達よりも高等な教育を受けていそうだし、家出後に独身時代の貯金で生活する程度のゆとりもある。常にギリギリ生活で、一旦綻ぶと、もう這い上がれない脆い生活基盤の邦子達との差は歴然。
現在の子供達の状況も、同じだと思うと切ないわ。
敢えて厳しい人生を毅然と生きる山岡老人に、エールを送る

『院内刑事:ブラック・メディスン』『代官山コールドケース』『政治的に正しい警察小説』

2021-06-19 15:27:14 | 日記

濱 嘉之『院内刑事:ブラック・メディスン』

作者が、警察庁公安や国会議員秘書の経歴を活かした小説で、『へー、そうなの?』と言う裏話が一杯。ストーリーより、知らない情報教えましょうと言う本です。でも、面白いですよ😉

佐々木譲『代官山コールドケース』

これは、性犯罪もの。女性警察官が厳しく当たる気持ちは、当然でしょう。徹底的にやってください。

葉真中 顕『政治的に正しい警察小説』
パラパラッと見て、うっかり警察ミステリーと思い込んで借りた本。
とーんでも、ありません。6編の短編、ブラックショートとでも言いましょうか。
最初の「秘密の海」が、虐待の辛い過去の中に、確かに一時は親に愛されていたことを確かめる話。
虐待の拭いきれない影響力に、無力感を抱きながらも、ホッと救われる。
表題の話では、人は簡単に壊れる存在であることに気付かされる。

『鳩笛草』『東海道五十三次殺人事件』『存在の美しい哀しみ』

2021-06-19 15:18:52 | 日記
宮部みゆき『鳩笛草』読了。
超能力(未来を当てる、火を放つ、人の心が読める)を持つ各3人の3話短編集。
読み始めてデジャヴ感じる。
え、読んだことある❓結果、読んだことは、なかった。
彼女の作品は好きで、いろいろ読んできた。作品自体は別なものであるのに、このデジャヴ感はどうして⁉️文体や話の癖がやはり似ているので、これ知ってると感じるせいでしょうか?
風野真知雄『東海道五十三次殺人事件』読んでしまった。
広重の春画とチアリーダーの取り合わせも面白かったけど、女刑事は結婚は難しいようでちょっと同情。
〝彼、優しいし自由業だし、頑張んな‼️〟と、声掛けたくなりますね💓
 
小池真理子『存在の美しい哀しみ』
元々は、異父妹後藤榛名が母奈緒子の死後に兄芹沢聡をプラハに訪ねる「プラハ逍遙」のみであった小説に、関係者それぞれの話を加えたもの。
チェロにしか関心を持たない夫から、穏やかな後藤信彦に走る奈緒子。「天空のアンナ」
有料老人ホームで奈緒子と働く介護士の芳雄「我々は戦士だ」等の他、聡の異母妹、聡の養母、奈緒子の再婚した夫後藤信彦を主人公とした短編集。
各個性が表現され、解説で「人は、秘密で出来ている」と全ては分かり合えるものではないと言いつつ、聡は「自分は真に孤独ではなく、どこか目に見えないところで綿々と何かと深く繋がり続けてきた」と、感じている。
きっと、人生ってそんなものかもしれない。

『SCIS科学犯罪捜査班』『肩越しの恋人』

2021-06-19 15:12:55 | 日記
中村啓『SCIS科学犯罪捜査班』
摩訶不思議な殺人事件の話3話。
豚の子宮を移植して、妊娠したゲイの教授。自我を持ってしまったAI。脳に埋め込んだマイクロチップを、発火させる話。
何れも、そんな未来がもうそこに来ているかもと思わせる無気味さ。
続編が、楽しみです。
唯川恵『肩越しの恋人』
幼なじみの女二人。るり子は超美貌を武器に、欲しいブレンド等貢がせてあげるわ感覚で本能のまま×3離婚。
萌は、報道記者の夢叶わずアダルト通販会社を退職の、共にもうすぐ28歳。
離婚した るり子は、男探しの優良会社受付不採用で、若さが消耗品と知る。が、プライドを持ってケリーバッグにパンプスで倉庫会社に出勤する。
萌は、育ち良さげな家出イケメンの崇と出会い、相変わらずのお人好しで3人暮らしが始まる。願ってもない好ましい男性が離婚してプロポーズするも、崇が15歳進学高校一年生と知っても、一夜を共にして妊娠、出産を決意。イギリス留学でオックスフォード大学を目指す崇には知らせず見送る。
大丈夫かしらと、心配は無用なんでしょうね。お話として読めば、それはそれとして楽しめますよ。