横関大『グッバイ・ヒーロー』
電車内で読み終えた。
読者の琴線に然り気無く触れていく彼の文章は、職人技と言えるね。
ひたすら毎年一作の長編を自らに課して受賞に至った8年間は、きっちりその後に活かされてる。
横関大『沈黙のエール』
市役所勤務しながら、毎年江戸川乱歩賞応募して8年目に受賞したって(受賞作は『再会』)。
人物描写に、今迄の経験がきっと活かされてるんだろうなと感じます人生に無駄はないと言うか、作者が無駄にしていないのよね。
困った兄の独特な男の美学に、ホロッと来ます
横関大『いのちの人形』は、クローン人間の話。いのちの話は、簡単にはいかないね。
「亡くした家族を取り戻したい」に世間は同情するかもしれないけれど、密かに臓器移植や永遠の生命を望んだりする金持ちも現れるだろうし。
何よりそうして造られた人間は、自分の存在をどう受け止めたら良いのか。
クローンではないけれど「障害を持った子を、親亡き後に看させるために」「白血病の兄弟のために産んだ」なんて話は、ネットでも見る。
その子の命や人生は、その子のものなのに