旅の思い出

記憶遺産を作っていきたいです。

スペイン その1(2019/11)ゴルドバ

2021-02-06 17:01:00 | 日記


2019年11月にスペインの都市ゴルドバの「メスキータ」を旅行しました。


スペイン中世の歴史が刻まれ、イスラム教とキリスト教の文化が混在する不思議な世界がありました。



「メスキータ
アンダルシア地方の古都ゴルドバの旧市街の中心に建つ大モスクです。

キリスト教徒とイスラム教徒の間で翻弄された祈りの殿堂「メスキータ」です。


「簡単な歴史」
8世紀半ばにイスラム教徒はゴルドバを支配下におきます。


それ以前のキリスト教徒の教会を改築、増築を重ねた結果10世紀後半に現在の大モスク「メスキータ」が完成しました。 


しかし13世紀にレコンキスタ(国土回復運動)のキリスト教勢力により再征服されました。


その480年間に及ぶイスラム文化の頂点を極めるゴルドバ旧市街地に建つ大モスク「メスキータ」です。


レコンキスタが終わりキリスト教王国の支配下になっても、しばらくはメスキータにはなんら手は加えられませんでした。 


16世紀 国王カルロス1世(イザベル女王の孫)の時代、メスキータの一部を壊しキリスト教の大聖堂の建立の許可を与えたのです。
その結果 イスラム教とキリスト教の文化が混在することになりました。



しかし カルロス1世は出来上がったその姿をみて「どこにでもある建築のために、世界にひとつしかない建物を壊してしまった」と嘆き怒ったとそうです。 


それ以来このモスクの改築は行われていません。そしてメスキータは往時の姿をかろうじて今にとどめています。




メスキータ(無料画像より)



メスキータへ向かう



旧市街への入口に当たるフエンテ門 
旧市街を囲む城壁の門をフェリペ2世が1571年に造り変えたもの



 
門をくぐりなかに入る



なかに入ると「トリウンフォ広場」



メスキータの南側になる外壁



少し歩くと重厚で歴史を感じさせる通りがあり、観光用の馬車もお洒落



イスラム様式の楕円の装飾やモザイク模様がみられる外壁




メスキータへの門をくぐるると、
右側はメスキートへ内部への入場口 
左側はオレンジの中庭となっている




「鐘楼」
モスクのミナレット(尖塔)として建てられた塔はキリスト教徒によって鐘がつけれら鐘楼へと姿を変えた




「礼拝の間(大ホール)」
メスキータの内部は「円柱の森」と呼ばれる円柱が林立している。
これらはイスラム文化が洗練を極めた時代を象徴



整然と並んだ円柱の森は イスラムの時代に増築に増築を重ねる
外周は約175m×135mの広がりとなり、2万5千人ものイスラム教徒を収容する規模まで達した



赤いレンガと白の石灰岩を交互に楔状に配したアーチ柱を途中で継ぎ足し2重になっているもともと1000本以上はあったという



「マクスラ」
マクスラは、ミフラーブを強調する空間。
高窓から光が差し込む高いドームになっている

10世紀半ばに礼拝堂が拡張され、メスキータの重要な部分ミフラーブが改築された




円柱だけではなく広いホールのそれぞれの天井も素晴らしい



「大礼拝堂」
左右のイスラムの円柱からもわかるように大聖堂のドームはひときわ高い
そして豪華絢爛である

しかし、大改修のゴーサインを出したカルロス5世が、出来上がった大聖堂を見て「どこにでもあるような建物(大聖堂)のために、この世で唯一のもの(モスク)を壊してしまった。」と嘆いたという。





「ローマ橋」
古代ローマ時代に築かれその後何度か再建されている。
約2000年 ここの歴史とともにあった。



「ローマ橋」
橋を渡り振り返る。


「ローマ橋」


キリスト教徒とイスラム教徒の間で翻弄された祈りの殿堂「メスキータ」。

言葉での表現では難しい美の芸術があり、そこに込められた深い祈りを感じる。