廃墟となった建物の中に入った。
外の壁にはコンクリートの黒ずんでいたシミが外壁が
長年放置され、雨風に晒され劣化ぶりを物語っていた。
建物の内部もかなりの荒れ果てぶりのようだ。
足下には、瓦礫や割れたガラスや倒れた物が散乱しており
心なしか微かに異臭も鼻に来る。
足場の悪さに注意しながら、ゆっくり奥へ進むと突き当たりに来る。
そこから左右のどちらかを選ぶ事となった。
左の方を見ると瓦礫と倒れた物が邪魔で向こう側には行けそうない。
結局、右側側を選んでこっちに行く。
少し歩くと、階段の前にたどり着く。
「ここは、上の階に上がるかそれとも下の階に降りるかとなるわね?」
米津真琴は、ここでふと迷う。
「ここは、下に降りた方が妥当みたいだ。」
寛一は答える。
「あら、どうして寛一くん?」
「上の階はどうせ一階と大きな違いは無いよ。それにこういう研究施設は秘匿性を重視する
性格からして肝心の部分は施設から出る機械の騒音や臭いの事を勘案しても
地下に作る方が立ち入り出来る箇所も限る事が出来るし、立ち入る人間も
限られた者しか入れなく出来るし、地下の研究材料を許可無く持ち出そうとするには階段を
利用するしか出来ないようにすればいいんだし。」
これを言われて真琴はハッと思った。確かにそのとおりだ。
自分がここの研究施設をスパイする者の立場ならどう思ったか。
この建物は見たところ地下から一階のに上がるとすれば
エレベーターで一階に行くか階段を上る。これしかない。
だが、自分が研究所の責任者の立場で考えるなら自分らスタッフが必死の思いで研究開発したものを
自分たちの仲間に混じっていたスパイに盗られては堪ったものでは無い。
それならどうするか?自分なら警備員をエレベーターの前と階段の前にそれぞれ一名ずつ配置する。
それまでにスタッフも追いついて取り押さえればいい。
そう考えれば妥当だろう。ましてやこの研究施設は地下に限っては階段しか設けていないようだ。
もしこれが寛一の言うとおりなら、一階の地下への階段口と地下の最深階の上り階段口に
警備員を配置して身元の不審な者が安易に入れないようにするのに加え、駅の自動改札装置や
空港にある国際線の自動チェックイン装置を応用したシステムで
研究所のデータの盗用を困難にする程度のセキュリティは可能になるだろう。
その結果、上の階に上がるより下の階へ降りる方を選択する事にした。
下へと続く階段を一歩一歩と降る。一階から降りる事、地下三階目に到着した。
この部屋の惨状を見るにつけ寛一も真琴もただ呆然とするばかりだ。
「何かもう、瘴気が漂うって感じね。
「ああ。そうだね。正に、これがバイオハザードっていうものならそうだろう。」
寛一は目の前にある生理的に受け入れ難いモノに顔色がはかばかしくない真琴とは対照的に
真剣な表情で今、目の前にある事態を認識しつつ、捜し求めるように足元に中止しつつ
慎重に一歩ずつ足を進めて行く。
すると、そこにあるのは何やらこの研究施設の本命にして心臓部ともいうべき
研究室と思われる広い一室のようだ。
片方の一室はかつて研究スタッフが常駐していたスペースと思われた部屋のようだった。
その証拠に今でこそあちこちガラスが割られ何か化学薬品やら何やらぶちまけられた上に
色んな書類が床やテーブルに散らかっている。
そして、次の大きなガラスの割れている、この部屋を隔てていたとなりの大きな部屋を見ると
そこに形状が砲身状を成しているガラス製のシリンダーを見つけた。
このとき尾場寛一は何もご存知ないが、この砲身の形状をしたガラス製のシリンダーが
実は遺伝子操作をはじめ各種細胞バイオ技術によって作られた精子と卵子を融合し
ナチュラル(自然分娩で生まれた人間)を遥かに凌駕した人間を将来的に工業製品の如く
生み出すための実験装置だったとは知る由も無い。
外の壁にはコンクリートの黒ずんでいたシミが外壁が
長年放置され、雨風に晒され劣化ぶりを物語っていた。
建物の内部もかなりの荒れ果てぶりのようだ。
足下には、瓦礫や割れたガラスや倒れた物が散乱しており
心なしか微かに異臭も鼻に来る。
足場の悪さに注意しながら、ゆっくり奥へ進むと突き当たりに来る。
そこから左右のどちらかを選ぶ事となった。
左の方を見ると瓦礫と倒れた物が邪魔で向こう側には行けそうない。
結局、右側側を選んでこっちに行く。
少し歩くと、階段の前にたどり着く。
「ここは、上の階に上がるかそれとも下の階に降りるかとなるわね?」
米津真琴は、ここでふと迷う。
「ここは、下に降りた方が妥当みたいだ。」
寛一は答える。
「あら、どうして寛一くん?」
「上の階はどうせ一階と大きな違いは無いよ。それにこういう研究施設は秘匿性を重視する
性格からして肝心の部分は施設から出る機械の騒音や臭いの事を勘案しても
地下に作る方が立ち入り出来る箇所も限る事が出来るし、立ち入る人間も
限られた者しか入れなく出来るし、地下の研究材料を許可無く持ち出そうとするには階段を
利用するしか出来ないようにすればいいんだし。」
これを言われて真琴はハッと思った。確かにそのとおりだ。
自分がここの研究施設をスパイする者の立場ならどう思ったか。
この建物は見たところ地下から一階のに上がるとすれば
エレベーターで一階に行くか階段を上る。これしかない。
だが、自分が研究所の責任者の立場で考えるなら自分らスタッフが必死の思いで研究開発したものを
自分たちの仲間に混じっていたスパイに盗られては堪ったものでは無い。
それならどうするか?自分なら警備員をエレベーターの前と階段の前にそれぞれ一名ずつ配置する。
それまでにスタッフも追いついて取り押さえればいい。
そう考えれば妥当だろう。ましてやこの研究施設は地下に限っては階段しか設けていないようだ。
もしこれが寛一の言うとおりなら、一階の地下への階段口と地下の最深階の上り階段口に
警備員を配置して身元の不審な者が安易に入れないようにするのに加え、駅の自動改札装置や
空港にある国際線の自動チェックイン装置を応用したシステムで
研究所のデータの盗用を困難にする程度のセキュリティは可能になるだろう。
その結果、上の階に上がるより下の階へ降りる方を選択する事にした。
下へと続く階段を一歩一歩と降る。一階から降りる事、地下三階目に到着した。
この部屋の惨状を見るにつけ寛一も真琴もただ呆然とするばかりだ。
「何かもう、瘴気が漂うって感じね。
「ああ。そうだね。正に、これがバイオハザードっていうものならそうだろう。」
寛一は目の前にある生理的に受け入れ難いモノに顔色がはかばかしくない真琴とは対照的に
真剣な表情で今、目の前にある事態を認識しつつ、捜し求めるように足元に中止しつつ
慎重に一歩ずつ足を進めて行く。
すると、そこにあるのは何やらこの研究施設の本命にして心臓部ともいうべき
研究室と思われる広い一室のようだ。
片方の一室はかつて研究スタッフが常駐していたスペースと思われた部屋のようだった。
その証拠に今でこそあちこちガラスが割られ何か化学薬品やら何やらぶちまけられた上に
色んな書類が床やテーブルに散らかっている。
そして、次の大きなガラスの割れている、この部屋を隔てていたとなりの大きな部屋を見ると
そこに形状が砲身状を成しているガラス製のシリンダーを見つけた。
このとき尾場寛一は何もご存知ないが、この砲身の形状をしたガラス製のシリンダーが
実は遺伝子操作をはじめ各種細胞バイオ技術によって作られた精子と卵子を融合し
ナチュラル(自然分娩で生まれた人間)を遥かに凌駕した人間を将来的に工業製品の如く
生み出すための実験装置だったとは知る由も無い。
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