昨日Twitterでなかなか興味を唆るものがあった。
それは誤嚥性肺炎について。
不思議なもので、何故か根拠もなくトンデモ医学を語る方が少なくない。
文字数制限があるから上手く表現出来ないという問題ではなく、エビデンスのない事をまるで当然のように語るもんだから…。
プチ炎上してました
「嫌なものを食べさせられるから誤嚥する」
「好きなものを食べさせてあげたら誤嚥しない」
「好きなものを食べて誤嚥しても(Tweet主の)経験上肺炎にはならないから積極的に食べさせよう(医師が絶食を指示しているにもかからわず)」
Tweet主、介護施設の長との事。
こんな所には自分の近しい人を任せられないな…。
経口摂取は確かに可能な限りは推奨される。
唾液の分泌が促進され、腸蠕動運動が活発になる。
これにより腸内細菌が悪さすることも軽減され(bacterial translocation予防)自然な排泄に繋がる。
それだけでなく食欲に加え食事を摂るという行為が出来るという喜びが精神的な支えにもなる。
だから好きなものを食べるという点ではあながち間違いではない。
ただし、嚥下が上手ではない場合はきちんと評価する必要がある。
誤嚥性肺炎は医療者側のフォローの有無で回避可能なものと言っても過言ではないし。
嫌なもので誤嚥…云々についても少し触れておく。
スムースに嚥下を行う為に、食事形態を個人に合わせて変更する事がある。
きざみ食は名の如く細かく刻んだもの、とろみ食も同じく水分をとろみをつけて嚥下しやすくしたもの。
きざみ食はまだ固体化してるから見た目はみじん切りみたいだけど悪くはない。
見栄えよく栄養課など食事を作ってくれる方々がきれいに盛り付けしてくれてる事が多い。
咀嚼力が乏しい(入れ歯が合わないなどなど)けれど細かくなっていれば嚥下出来る人向けの形態。
一方とろみ食の方は、全てにとろみがあり、ペースト状で見た目は離乳食寄り。
お粥のつぶ粒も誤嚥してしまう様な方にはお粥の粒すらないものもある。
何とか経管栄養(鼻管やPEG)に移行せずに頑張りたい方の為の形態。
でも多分美味しくはない。
恐らくTweet主はこのとろみ食=嫌なもの、という主張なんだと思う。
確かに嫌かもしれない。
しかし医療・介護に関わるものならば、誤嚥予防の為だけでなく、嚥下訓練も兼ねている事を忘れてはならない。
治療の為に医師から指示が出る(実際は看護師から医師に提案する方が多いかも笑)が、治療だけでなくQOLの為の食事形態なんだと言う事を忘れてはならない。
上記についてこれまで誰かと話した事はないが、有資格者ならば知ってて当然の事だ。
残念な事に、医療従事者の中にも最低限度の知識すら乏しいという方もいらっしゃる事は事実。
でもそれは極一部の話で、大多数は誇りを待って働いている方ばかり。
少なくとも私が知っている人でそのような方は居ないし。
ただこんな人も存在するって事なんだなーと。
コロナ禍で、以前よりおかしな人が湧いてきててちょっと怖い今日この頃でした。
熱くなって長々やっちまった。
我ながら駄文だ🥺