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輪廻の春

2020-04-18 10:18:25 | 日記
春なのに
雨は涙となって胸からあふれでる
春なのに
風はののしる人の声を運んでくる
春なのに
陽射しは不平等に注いでいる
だから
今年の桜が慈悲(なさけ)をかけ
ちょっとだけ いつもより早く咲き
ちょっとだけ 長く咲いてくれた

まもなく振り下ろされた無情の言葉が
梅と一緒に 天に戻っていくだろう
まるで何にもなかった様に
そして きれいな若葉を残していく

今年の桜はもう来年は来ない
今年きりの命を咲ききって去っていった

人も何ごとが有ろうとも
定命(じょうみょう)を生ききらねばならない
梅は若葉を残し 人は何を残すのでしょう

父も母も 祖父母も 皆々 人は脈々と
小さな魂の旅を終え 流転の果てに
どこかに戻っていく
悪も善も累々と続き 川の流れの淀みの
泡の様に 短い生を終え戻って
行くのでしょうか

輪廻転生を信ずる一人の人間として
善多き来世を望み 悲しき春に思いを寄せ
今年の桜に ありがとうと言いたい

雪の葉牡丹