今日は議会最終日です。各常任委員会の委員長報告の後に、市長提出議案や請願に対する討論が行われ、あぐい初美市議(稲毛区)が討論に登壇しました。全文を載せますので、ご覧下さい。
初めに議案第115号・専決処分・令和6年度千葉市一般会計補正予算(第4号)についてです。これは、本年10月27日執行の総選挙および最高裁判官の国民審査を管理執行する3億6,300万円です。
今回、衆議院解散から短期間での選挙準備となりました。投票立会人は町内自治会の役員など関係者が、投票事務や開票事務に市職員など関係者の方々が携わりました。この場を借りて感謝を申し上げます。
選挙公報が早く選挙人に届くようにすること、郵便投票の対象者を広げることなどの改善とともに、選挙人の投票する権利を保障するため、投票時間の繰り上げではなく、現行通りの投票時間で実施することを求めておきます。
次に議案第116号・令和6年度千葉市一般会計補正予算(第5号)についてです。過去の補正予算額3,600万円を下回るものは、平成30年度の2,700万円の減額補正に次ぐ小ささとのことです。
11月22日に政府の総合経済対策に盛り込まれた「重点支援地方交付金」を活用し、千葉市独自の上乗せを行い、低所得者だけでなく、より多くの市民や中小事業者に支援が行き渡るようすることと、事業化を早期に行うよう求めておきます。
次に議案第116号・令和6年度千葉市一般会計補正予算(第5号)(中央公園・通町公園の連結強化事業)についてです。事業予定地内において移転対象となっていた民間建物の所有者による解体工事が当初予定より遅れたことにより、年度内の工事完了ができなくなったため通町公園中区整備工事、道路整備工事及び代替地候補としている旧西口再開発事務所の建物解体工事に係る合計1億9,700万円を繰り越すものです。この予算には整備工事の代替地として決定していないにもかかわらず、旧西口再開発事務所解体工事費2,100万円が含まれています。
中央公園・通町公園の連結強化事業に関連して旧西口再開発事務所跡地を利用することについては突然に提案されたものであり、議会にはなんら説明がなく、議会軽視であるばかりか、この事業を優先して市有地利用を検討しようとすること自体納得できるものではありません。
我が会派は、中央公園・通町公園の連結強化事業については、不要不急の事業であり事業効果も期待できないことから一貫して反対してきているため本議案については反対するものです。
次に議案第118号令和6年度千葉市競輪事業特別会計補正予算、千葉サイクル会館大規模改修についてです。
千葉サイクル会館が築28年を経過し、建物の劣化や電気・機械設備の不具合が著しいことから、次年度に予定する大規模改修工事に向けた実施設計を行う補正予算になります。千葉サイクル会館においては、用地費が約39億円、建設費が約28億円と多額な予算をかけて整備されたなか、さらに30年以上施設を維持するために大規模改修事業として、総額約9億円以上かけるというものです。
大事な論点として、環境経済委員会での質疑で明らかにした通り、本市の競輪事業における年間車券売上のピークは平成7年度の約652億円でしたが、現在250競争における年間車券売上は令和6年度11月末で約26億円程度であり、年度末に向けた残る運営日含めたとして約30億円前後であるということです。つまり、過去のピーク時から比較すると20分の1程度である事業という前提で、これまでと同等の施設のあり方を維持することが、正しい公金の使われ方なのか、慎重な議論が必要であると考えること、さらには我々としては強引に競輪事業を延命されたものの、売上目標額に及ばず低迷していること、新たに若者のギャンブル依存症を増やしかねない課題も踏まえ、競輪事業からの撤退含めた検討も必要と考えることから、本議案には賛成しかねるものです。
次に議案第120号・千葉市職員の給与に関する条例等の一部改正についてです。
これは10月の千葉市人事委員会の勧告に基づいて、一般職の職員の給料及び期末・勤勉手当等を引き上げ、会計年度任用職員の給料及び期末・勤勉手当を引き上げるため条例を一部改正するものです。
一般職の職員の初任給や若年層に重点を置き、これまでも求めてきた会計年度任用職員の処遇改善が図られることは前進であります。千葉市で働く会計年度任用職員については本年4月1日まで遡及ではなく来年度から反映されます。正規職員と同様に遡及できるように会計年度任用職員の要望も聞き、改善するよう求めておきます。
一方、一般職の職員と同様に市長等の特別職についても0.1月分引き上げるもので、市長については約15万円増の年額約727万円となります。総務委員会で受け取らない方法はあるのかと質疑したところ、条例改正が必要とのことでした。物価高騰の中で市民生活が厳しくなっています。市長はこうした状況を踏まえて、自粛すべきではありませんか。条例改正で受け取らないことも選択肢としてあったはずです。
市職員の期末手当等の引き上げは歓迎ですが、特別職の期末手当引き上げが含まれており、この条例改正の議案には賛同できません。
次に議案第132号 指定管理者の指定について(千葉市斎場) についてです。
今回、新たに選定された指定管理者は、友引開場に実施や、正社員が30人を増員するなどを提案しており、火葬供給能力の拡大につながることが期待されます。指定管理者の変更により、これまで火葬待ち時間の長期化によって生じていた市民への経済的負担軽減策が図られていくことも期待します。
これまでも、従業員から処遇改善を求める相談が寄せられ、人員不足も指摘をされており、会派の議会質問でも処遇改善を取り上げてきたところであり、正規職員を増員する提案を行っている指定管理者を新たに選定することは評価するものです。引き続き処遇改善等による人員確保や労働環境の改善につながるよう、要望いたします。
次に、請願6号・高齢者等の外出を応援する千葉市版「おでかけ応援制度」をつくるよう求める請願についてです。
今、人生100年と言われている中で高齢者が生きがいを持ち、元気に暮らして健康寿命を延ばす取り組みが求められます。そのためにはお金の心配をしないでバスに乗れる制度をつくり、高齢者の移動を支援することが必要であります。
堺市では65歳以上の方がおでかけ応援カードを使って100円でバスに乗れる制度を実施していますが、この制度を導入してから高齢者の外出が増えて元気に活動することから医療費が削減され、バス利用者が増え、市内の商店等の利用が増え経済効果も上がったと報告されています。
当局の説明では、民間事業者による免許返納者に対しての運賃割引制度や年間パスポートの発行がすでに実施されていることから「おでかけ応援制度」は考えていないとのことでした。しかし、運賃割引き制度は2年間の期間限定であり、年金生活では一度に3万円以上かかる年間パスポートの購入をすることは厳しいことから、ワンコインで気軽にバスに乗れる恒常的な支援があることで高齢者の外出を後押しすることにつながります。
常任委員会では他会派より制度の対象年齢があいまいであることやグリスロ、デマンドタクシーなどの多様な公共交通維持の施策が展開されていること、高齢者への支援よりも減便に対する支援が大切などの意見が述べられ不採択となったことは残念です。高齢者の外出支援制度については、公共交通の持続性の面からだけでなく、高齢者の健康や福祉の向上、地域経済への波及効果など総合的な視点に立って導入するよう求めるものです。
次に請願第7号・国民健康保険料の引き下げを求める請願についてです。
物価高騰が続く中、労働者の実質賃金低下、年金額の引下げ、市民生活の実態は厳しく深刻化しています。こうした中で、国民健康保険料は大変重い負担であり、払える保険料に引き下げてほしいという市民の願いは切実さを増していることから、国民健康保険特別会計に一般会計より繰入れを行い、加入世帯の負担軽減のために、国民健康保険料の引下げを求めるものです。
国保料の値上げは、自営業者や年金生活者、非正規労働者など、国保に加入する人たちの暮らしを圧迫しています。国保の差押件数は、前年度5,203件となり、一昨年度から775件増加しました。差押えをした金額は、前年度は14億4,200万円、一昨年度から4億5,500万円も増加しています。そんな中、本市で年金生活の男性は、困窮から受診をがまんし、治療が間に合わずに亡くなった事例がありました。この事例は氷山の一角です。
中小事業者の営業はコロナ禍前の水準に回復しておらず、年金も物価高騰に追い付いていません。今年は国保を運営する全国1,736自治体のうち本市を含め約3割が国保料を値上げしたことが判明しています。裏を返せば7割の自治体が値上げをしなかったということになります。本市でも近年の物価高騰で、国保加入者、とりわけ低所得者のくらしが困難になっているときに、保険料のこれ以上の引上げを行うことは認められず、やめるべきです。
他の会派からは、保険料収入での運営が基本などの理由から、引下げについて反対されたことは、大変遺憾です。
当局には、コロナ禍、物価高で苦しむ国民健康保険加入者の医療受診権を守るためにも、保険料の引下げを行うことを強く求めておきます。
最新の画像もっと見る
最近の「千葉市政・議会」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事