今日午後1時から、千葉市議会第1回定例会(予算議会)が開会しました。市長から予算議案などの各議案の説明が行われた後、日本共産党千葉市議団を代表して、のじま友介市議(中央区)が「千葉市手話言語条例」の提案を行いました。以下、提案理由の説明です。この条例提案の審議は、3月8日(金)午前10時からの保健消防委員会の中で行われます。
【手話言語条例の提案理由説明】
発議第3号・千葉市手話言語条例について提案理由の説明を行います。本条例は手話を「福祉施策」ではなく「言語権・言語施策」として、手話を必要とする人が手話で話し合える環境をつくることを目的とし、市の責務、市民及び事業者の役割を定め、手話に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために制定するものであります。
手話が言語であることを前提として、全ての人が相互に人格と個性を尊重し、豊かな共生社会を実現するという崇高な理念の具現化が、本市においても求められています。言語は、人間のあらゆる営みの基礎となるものです。それゆえ、言語としての手話を円滑に用い得ることは権利であり、尊重されなければなりません。手話は、単なるジェスチャーや補助的なコミュニケーション手段ではなく、日本語などと同等の言葉であります。一方、手話を用いる人は少数者であり、親子間ではなく、主にろう者の間において伝えられるという特性があります。これらの理解が十分ではないため、その理解の促進を図る必要があると考えます。少数者の言語が、その特性を踏まえて尊重される社会は真に豊かな共生社会と言え、多数者にとっても豊かさを実感できるものと確信しており、本条例制定の取組を通じて市民と事業者の意識の変化を生み、自主的な取組へと連なっていく、そんな市民ぐるみの運動が期待されています。
今回の条例提案にあたって、本市の聴覚障害者団体の方から意見聴取させていただきました。主な内容としては、あまりにも賃金が低い手話通訳士の待遇改善や、教育分野にも更に広がりを持たせ、子どもたちが手話を学ぶ機会を増やして欲しいとの要望がありました。また、急病時に救急車へ乗車する際に病状を伝えることが出来ずに困ったことがあるため、救急車にタブレットを常備し、リモートで手話通訳士を通して病状を救命士に伝えることができるようにして欲しいなどのお話もありました。手話を使っておられる市民の方々のこれまでの言い尽くせない御苦労を感じ取り、それらの思いをしっかりと受け止めたいと考えたところであります。
全国では既に500を超える自治体が条例を制定しており、県内でも習志野市や松戸市、市川市等の7つの自治体で条例が制定され、市民の理解促進が図られております。本市も条例を制定し取組を進めることによって、他自治体における手話言語条例制定の機運が更に醸成されていくものと考えます。先輩、同僚議員へ申し上げます。まずは、ろう者や手話に理解のある方を中心とし、理解と共感の輪を少しずつ大きくしていく取組が必要ではないでしょうか。今、本市に必要である千葉市手話言語条例に賛同をしていただくことを心よりお願い申し上げまして、発議第3号の提案理由の説明を終わります。