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今日は、のじま友介市議(中央区)が一般質問に登壇しました。訪問介護事業所をめぐる問題について報告します。
昨年、国による訪問介護事業所への基本報酬引き下げがあり、介護事業所の倒産件数が前年同期の1.5倍に達しているとの新聞報道がありました。改定前と改定後で、市は「身体介護は99円、生活介護では55円の引き下げになった」と答えました。
のじま市議は、訪問介護職員1人あたり6、7軒のお宅をまわるとして、1日1人当たりで最大700円近い減収になること。のじま市議が訪問した小規模事業所では、特定加算を取得するために、利用者サービスを減らさなければならず、重度の方はその単位を超えると10割負担となり利用料が上がることと、事業所は研修の実施や会議の開催などの負担が増えるため、利用率が低くなっていることの実態を示しました。
また、市内の訪問介護事業所との懇談で、減収分を補てんするため訪問件数を無理に増やしていることと、サービス提供責任者もいつも以上に現場に入らなければならず、事務作業が深夜までかかり、それでも年間360万円にのぼり、生活介護は身体介護よりも同じ時間で2千円報酬が少ないのため、身体介護を選ばなければならない状況があります。
事業所が報酬削減でこの生活援助(介護)を削って、身体介護ばかりをやる事業所ばかりになってしまったら、利用者の全体像が見えなくなり、介護の質にも関わると、のじま市議は指摘しました。
のじま市議は「このような実態を市はどのように感じているのか」「生活援助を身体介護と比べて不当に低く見るのをやめて、同じ報酬にするよう国に求めるべき」とただしました。
市は「訪問介護は住み慣れた地域での暮らしを続けていくうえで重要なサービスであり、1件ずつ自宅を訪問してサービスを提供している事業所にとって、今回の報酬改定は、安定した事業運営に影響を及ぼしていると認識している。市として国に対し引き続き、報酬改定の影響の検証と、実情に応じた報酬体系の構築を検討するよう求めていく」と答えました。
一方、同じ報酬とすることについては「サービス提供にかかる負担がことなるため、より負担のかかる身体介護の報酬と高く設定することは合理的」としました。
のじま市議は、「(訪問介護事業所の)経営危機を何とかしてほしいという悲痛な叫びが寄せられているのに、このまま報酬が下がることを放置したら、サービスの縮小などで帳尻を合わせようとしても立ち行かず、やむなく閉鎖する事業所が今後さらに出てくるのではないか」と指摘し、「国の制度も悪いわけで、しっかりとした制度をつくるまでの間、市独自の対策をとることは当然のこと。介護人材の確保も含め、市独自の実効性のある賃金引き上げを実施してほしい」と重ねて要望しました。