「公共事業はワルイものだ」という風潮が世間を覆うようになった。
「コンクリートから人へ」という民主党のスローガンがその象徴である。
「公共事業仕分け」で大活躍したのが「費用便益分析」である。
「B/C(ビー・バイ・シー)」とも呼ばれ、
便益(B=ベネフィット)と費用(C=コスト)の比を考えるものだ。
費用と便益が正確に評価されているなら、筆者も高橋氏の意見に大いに賛同する。
だが、残念ながら、現実はそんな理想とは似ても似つかぬひどい状況にある。
例えば、道路では40~50年、鉄道に至っては30年程度で、
「全ての便益がゼロになる」という常識では考えられない前提である。
≪真っ当な「費用対効果」を≫
単に公共事業を削るためだけに「便益」を過剰に少なく見積もるような
「B/Cマニュアル」を一刻も早く捨て去って、
真っ当な「費用対効果」を見据えつつ、国家、国民を守るための
国土強靱化対策を考えなければならないという時期に、
われわれはさしかかっているのではなかろうか。
(抜粋)
京都大学大学院教授・藤井聡 公共事業「仕分け」を仕分けせよ
「コンクリートから人へ」という民主党のスローガンがその象徴である。
「公共事業仕分け」で大活躍したのが「費用便益分析」である。
「B/C(ビー・バイ・シー)」とも呼ばれ、
便益(B=ベネフィット)と費用(C=コスト)の比を考えるものだ。
費用と便益が正確に評価されているなら、筆者も高橋氏の意見に大いに賛同する。
だが、残念ながら、現実はそんな理想とは似ても似つかぬひどい状況にある。
例えば、道路では40~50年、鉄道に至っては30年程度で、
「全ての便益がゼロになる」という常識では考えられない前提である。
≪真っ当な「費用対効果」を≫
単に公共事業を削るためだけに「便益」を過剰に少なく見積もるような
「B/Cマニュアル」を一刻も早く捨て去って、
真っ当な「費用対効果」を見据えつつ、国家、国民を守るための
国土強靱化対策を考えなければならないという時期に、
われわれはさしかかっているのではなかろうか。
(抜粋)
京都大学大学院教授・藤井聡 公共事業「仕分け」を仕分けせよ