年末の冷凍庫が
今年はいつもとちょっと違う。
変わった魚がいるのだ。
そう、
あの日――
「それ、見たことある?」と、
おじさんが嬉しそうに目をやる魚。
何だ、これは!
この長い口は!
名前はヤガラ。
市場で見つけて、
一度も捌いたことがないと
持たせてくれた。
口からしっぽまで75センチ。
しっぽの先がまだあるけれど、
口だけで17センチ。
丸くなって凍っている。
さて、どう捌こう・・・
別の日――
「立ってる!」
お腹の支えで立ってる魚がいる。
ギマっていうんだと、
おじさんがまた嬉しそうに。
カワハギに似ている、
と思ったらカワハギの仲間。
まず頭とお腹のトゲを取らないと。
それから皮。うまく剥けるかな・・・
また別の日――
「光ってる!」
ひときわ光を発する魚がいる。
カガミウオ、
とも呼ばれるアジ。イトヒキアジ。
だれかに似てる、
かどうかはさておき、
焼く?煮る?
どの魚から?
いつ?
年の瀬にまさか、
魚のことで頭がいっぱい――